WE ARE X
X JAPANとYOSHIKIの今と軌跡を追ったドキュメンタリー映画「We Are X」を観てきました。ので、感想を書きます。
書きたいと思ったことをどんどん書いていきたい。
WE ARE X、歴史の勉強のような気持ちで行ったのに完全に見入ったし涙と鼻水でぐちゃぐちゃになったので好きなバンドに助けられて生き延びた系の人々は全員観たらいいと思いました ガチのファンの方はまたいろいろ思うところがあるのだろうけど pic.twitter.com/PlfO0TYOxN
— フムのテブクロ+11 (@fumfum_ks) 2017年3月10日
映画は、X JAPANの2014年のMADISON SQUARE GARDENでのライブを核として、そこに至るバンドの日々を追いながら、過去の映像、メンバーや周辺の人々、海外ミュージシャンなどへのインタビューでバンド(と、YOSHIKI)のこれまでの軌跡を振り返る、という構成。
私はXが社会現象になっていたころといえば物心つくかつかないかといった年齢で、hideの死のニュースをワイドショーで見たことはうっすらと覚えている、という程度。
ただ、職業:筋肉少女帯ファンでありたい身として、正史としての元祖ヴィジュアル系であるXについては、きちんと知っておきたいと思っていました。
ので、「日本のバンド史を塗り替えたXというバンドについて知ろう」みたいな姿勢で観に行ったわけですが…
蓋を開けたら、学ぶとか悠長なことを言っている場合では全然なかったです。
(学べましたけどね、もちろん)
■ドラマよりもドラマなバンド・ヒストリー
映画は生々しいバンドの「今」と「過去」を映し、語っていきます。
YOSHIKIとぶつかり合い続けた末に、「ルールを破った」ことへの報いとしてクビを告げられたTAIJI。
映画に登場するすべての人が言葉を尽くして、どれだけ人として、ミュージシャンとして魅力的な人物であったかを語るhide。
そしてもちろん盟友・ToshI。
アメリカでラジオ番組?に出演した際にYOSHIKIは聞かれる。
「バンドが解散した理由は音楽的なこと? 人間関係?」
それに対して彼はシンプルに答えていた。「メンバーが洗脳された」と。
ToshIが戻ってきた時のことをYOSHIKIはこう語り、声を詰まらせる。
「バンドの再結成よりも、友達が戻ってきてくれたことが嬉しかった」
今のYOSHIKIとToshIが何気ない思い出話に花を咲かせている一コマで、
私は嗚咽するほど泣いてしまったよ。
バンドに夢中になる理由っていくつかあると思うわけですが、
メンバー間の絆という、ドラマよりもドラマみたいな要素にグッとくるというのは
その中の非常に大きな一つであって、Xの場合はやっぱりそこがもう本当に、フィクションよりも劇的なんだなあと思った。
こんな物語、ウソじゃ作れない。
■バンドとファンの物語は普遍の
若い頃、X JAPANが社会現象となっていた頃。
YOSHIKIはステージの上で倒れ、気を失い、スタッフに運び出される…そういうライブを繰り返した。
観客はそれを一種のショウとして眺め、興奮していたけれど、まさにその瞬間に生命の危機だったということも何度もあった、と、周囲の人が語ります。
今、映画の中で、繰り返しYOSHIKIは診察や注射やストレッチ指導を受けます。
首、手首、肩…自身の肉体を酷使する長年のプレイスタイルが、その全身を蝕んでいるであろうことは想像に難くない。
でも、その、積み重ねてきた痛みこそをエネルギーにして、さらに外へ、上へ向かおうとしている彼の姿勢になんだか胸を撃たれました。
かつての彼は、どこかで「どうなってもいい」と思っていたかもしれない。
それが「どうなってもよくはない」になったのは、たぶん、彼の語る通り、「運命共同体」であるところの、ファンのためなんだろうな、と素直に思う。
そして、私はこれに似た物語をいくつか知っていると思いました。
解散、活動休止、メンバーの心身の不調、あまつさえ死。
そういういろいろを乗り越えたり、あるいは抱えたままであっても、
自分たちと自分たちの音楽を、人生におけるかけがえのないものとしている「ファン」という存在のために、先に進んでいく人たちの物語。
どうしてもやっぱり筋少の話をするわけですが、
われらが筋少ちゃんのメンバーたちも、YOSHIKIと同じように、
「ファンのみなさんのおかげです」という言葉を口にする。
双方お互いにとって、何物にも代えがたい存在であるという、双方向に矢印が向き合う関係性は、美しくて尊くて、普遍のものなんだなあと。
バンドという存在に自身の人生を仮託したことがある人ならば誰しも、
彼らの物語に揺さぶられないはずはないと思うのです。
We Are X、とってもおすすめだぞ!
ところで、最後に少し余談を。
20年以上前、私の年の離れた兄が、X JAPANのCDを持っていました。
彼はとても音楽が好きな人ですが、HR/HMはほとんど聴きません。
その彼が多感な頃にXに惹かれていた理由は何だろうか。
私は、それはYOSHIKIの生い立ちにもしかしたらかかわるのかもしれないなと思った。
喘息持ちで、長い入院生活を強いられていたらしいYOSHIKI。
兄も同じでした。病気がちで、入退院を繰り返し、そして喘息持ちでもありました。
そのころに、そんなYOSHIKIの子供時代のエピソードがメディアに出ていたのか、
そして兄がそれに触れていたのかはわかりません。
でも、彼のその後の音楽の好みとは正直、似ても似つかないと言ってさしつかえないようなXとYOSHIKIの存在が、彼の音楽の原体験にあった理由は、
ひょっとしたらYOSHIKIへの共鳴、憧れ、そんなものがあったのかもしれないな。
今年もすでに良い映画をたくさん観られていてとても嬉しいです。ガンガンいこうぜ。
2017/2/12(日)内田雄一郎「SWITCHED ON KING-SHOW」発売記念イベント@TOWER RECORDS 錦糸町店
我らが筋少(や、その他いろいろなバンド)のベーシスト・うっちーが、初のソロアルバムをリリース。内容はなんとテクノ!
その発売記念インストアイベントが、スタッフさんの熱意がファンの間では有名な、タワレコ錦糸町店さんで催されることに!
めでてえな、ということで、久しぶりに錦糸町まで出かけてまいりました。
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「トーク&ミニライブ&サイン会」と銘打たれていたものの、演奏は行われず、袖の三浦社長をアシスタント係として、ほぼうっちーが1人でトークを展開する形。
「今日は、アルバムをすでに、買ってくれた人が来てくれていると、いうことで。ありがとうございます」
「このアルバムには、たくさんの、元ネタみたいなものがあるので…これの、ネタばらしみたいなことを、やったら、面白いんじゃないかと思いまして。実験的に、やってみようと思います。…実験的なので、行きあたりばったりに」
「準備をギリギリまでやっていたら、遅刻してしまいました。すみません」
どこまでもマイペースなうっちーながら、さすがに演奏もせずにステージに30分間1人という状況に、ちょっと緊張しているというか、テンパっているというか、そんな感じがありつつイベントスタート。
■ジャケットについて
これはウェンディ・カルロスの「SWITCHED ON BACH」というアルバムのパクリをやろうとした(けど、うまくいかなかった)。
- アーティスト: Wendy Carlos
- 出版社/メーカー: East Side Digital
- 発売日: 2001/10/02
- メディア: CD
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「SWITCHED ON BACH」はシンセでバッハの曲をカバーしたアルバムで、シンセサイザー音楽の歴史に残る作品。1968年と、かなり早い時期に発売になっている。
(なお話を聞きながら、ジョージが「電子音楽の世界」を個人作品として作ったり、「ヒア・カムズ・ザ・サン」のレコーディングにシンセを持ち込んだのが1969年だなあ、と、ビートルズと筋少よく比べるマンは思っていた)
ウェンディ・カルロス氏は後に性転換をして女性になっており、このジャケットの男性=カルロス氏だと思っていたうっちーは「あのバッハのおじさんが…」とたいへん驚いたが、このジャケットの人はカルロス氏ではなく単なるバッハ役の人であったとのこと。(このへん、ニュアンスが正確に把握できず)
そして、このバッハシリーズ第2弾のアルバムジャケットでは、バッハおじさんはなんと宇宙に行っている。
(たぶんこれだろう)
だから、セカンドではこっちもジャケットを宇宙にしよう!とのことです。
■「イワンのばか」について
「この人の曲です」とタブレットに表示した写真は、自伝を上梓したてのワジーこと和嶋慎治氏(笑)。「間違えた!」と言いつつ、エフェクター本の宣伝をしてあげるというひとネタを挟んで、無事にふーみんの写真が表示される。
フェードインで入ってくる曲というのはいろいろあって。
例えば、E.L&Pの「タルカス」。そして、イエスの「危機」。
この2曲のイントロの感じを混ぜたらどうなるか?というところからの発想。
(それぞれのジャケットを見せつつ、「どちらもどこか(店内)で売っていると思うので…とさらに宣伝を挟む律儀さ)
ここで実際に、この2曲を同時再生してみていました。
「僕はこれ、30分くらい聴いていたいんですが」といううっちー。おお…なるほどわからん…
「♪3年殺しを…」部分の元ネタは、クラフトワーク。
これかな?
ある時、このアルバムを聴いていたら、不意に「3年殺しを…」のリズムにハマると思い、「こりゃーおもしれーや」ということで当てはめてみたとのこと。なるほどわからん(2度目)
台詞の部分は、ロシア語に翻訳してしゃべらせた音声を使っているが、「イワンのバカ」と「イワンの馬鹿」で、それぞれ翻訳アプリを通すと語順が逆になってしまうということにTDの段階で気づき、あわてて差し替えたのだそうな。
それにしてもうっちー翻訳アプリ好きだなあ。
■「サンフランシスコ」について
冒頭の「さようならさようなら…」部分の台詞は、いろんな速度に加工した音声を重ねている。3番目がいい感じに訛ったイントネーションでお気に入り。
「寺山修司と名付けた」。これはなんとなく言わんとすることはわかる。
■「カーネーション・リインカネーション」について
シュゴオオオオオみたいな音は、さぞ高級なシンセを駆使して作った音であろうと思いきや、単に「シュゴオオオ」っていう息を吹き込んだものを加工している。
ジャケットとイワンでだいぶ時間が割かれ、残りは簡単に小ネタ披露のみでした。
そんな感じで、音ネタ芸人のネタ見せみたいなトークイベントは終了。
マイケル風の衣装は早々に脱がれ、パーカー+マスク+なぜか裸眼、というスタイルでサイン会が行われ、最後に写真撮影をして、イベントすべて終了となりました。
【内田雄一郎】
— タワーレコード錦糸町店 (@TOWER_Kinshicho) 2017年2月12日
ウチダさん本日はイベントありがとうございました‼️
『SWITCHED ON KING-SHOW』の解説トークライブ、面白かったですね🌟
さらに興味深く聴けそうです💿
ソロでもバンドでも、またお越し頂けるのをお待ちしております❣️#kingshow #内田雄一郎 pic.twitter.com/fH3SdlXiqy
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おもしろかった。
短時間のインストアイベントでも、適当なおしゃべりでお茶を濁すのではなく(それが不得手ということもあるのだろうけど)、わざわざ面白いことをやろうと試みてくれる姿勢に、真面目かつ面白いことが好きなうっちーの性格を垣間見た気がしました。
あと、私は今日会場で初めて音源を聴いたのですが、「内田くんには筋少の曲がこう聞こえているのかと思うと恐怖を覚える」やら「狂気を感じる」といった、ミュージシャン仲間たちの感想が非常に腑に落ちました。
それから聴く前に読んだJUNGLE☆LIFEのインタビューで語られていることもよくわかった。「星の夜のボート」の「ドアーズ・ギャグ」っぷり、笑いました。私もそんなに詳しいわけじゃないけれども、あ、ああ~~~っ!てなった笑。
全体として、たしかになんとなく間抜け、なんとなくチープ、でもその感じが聴きやすいというか、大仰な感じがなくて良い。
今回は最初ということもあり筋少のカバーという形をとったけど、水戸さんとやっているユニットのほうでリリースがあるかもしれない、という発言などもあり、次回作にも意欲的な様子でした。
個人的には、それもいいけど、完全オリジナルトラックでのアルバムというのも聴いてみたいなあとも思った。ちょっと怖いけど。
「こういうことが面白いと思ってしまっている、そんなお年頃なので、よろしくお願いします」という言葉が印象に残りました。いくつになっても面白いことを見失わない、発見し続ける、そんな人間でありたい。私も。
2017/2/6(月) 大槻ケンヂBIRTHDAY LIVE! これからはこんな音楽もやっていきたいな。@吉祥寺Star Pine's Cafe
文章を書く頻度&量のトレーニングをしたく、手始めにブログの更新頻度を上げようキャンペーン。とにかく書く、というのを当面の目標に、手短に。
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オーケンのお誕生日ライブといえば、一昨年まではのほほん学校が定番。
昨年は特撮のライブ(に、筋少がゲスト出演)だった。
そして今年は、大槻ケンヂ20thバンドならぬ51thバンドでのステージ。
場所も久々のスタパということで、ちょっと大人な51歳記念ライブでした。
1曲目は「揉み毬」。個人的に、なぜか今日きっとやるだろうなあと思っていた曲だったので妙な安心感があった。MCを挟みつつ、電車セッションなどで以前からおなじみの「ほうろう」とともに披露された小坂忠さんの楽曲「しらけちまうぜ」、そしてかまやつひろしさんの「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」。「ゴロワーズ~」はオーケンが歌っていると知ってから聴きたいなーと思ってたので、ようやく聴けて嬉しい。好きな曲。
「僕は今51で、なんとかかんとか生きていますけれども、亡くなってしまった友達というのもいて。池の上陽水という、井上陽水じゃないですよ(笑)。素晴らしいミュージシャンがいて、僕の小学校の同級生だったんですけど」という紹介からの「SIGN」「よろこびとカラスミ」。
そして、メンバーからのお祝いということでエディのソロと竜ちゃんの歌う「Sweets」、ここからは怒涛の特撮ナンバー攻勢でした。
本家特撮の演奏でも、メンバーがキャリアを重ねて円熟していくにしたがい、どんどん深く深く進化していくような印象を持っていた「企画物AVの女」。このメンバーだとさらにもう一段階深いというのか、でも重いというのとも違って、なんというか…とにかくリッチでゴージャス。各パートのソロもたっぷり堪能した。
ラストは「テレパシー」、大盛り上がりで本編終了。
アンコールは長谷川さんによる圧巻の「お祝いドラムソロ」から。もう本当に、その場にいるだけで体温が上がるようなプレイに圧倒された。
そして「僕は人の気持ちがわからないタイプの人間のようです」「人の心がわからない人間は、こんなに美しい詩を書くのだ、という曲です」というMCからの「Guru」でオーラス。
3時間弱、いつものバカMCも挟みつつの、ゆったりとしたぜいたくな時間でした。
個人的に興味深かったのが、「精神はまだ15歳くらいのままなのに、身体は40代というギャップに40代のうちは悩んだ。でも、50を過ぎて老いが目に見えて感じられるようになったら、どうでもよくなった」というオーケンの話。
自分も身体は三十路ながら本当に、びっくりするくらい子供な部分があって、それに日々頭を悩ませているものだから。
今のオーケンがそうなっているように、無理をせず、カッコつけすぎず、自然体で楽しく生きていける大人になりたいな。
それにつけても、こんなに素敵な音楽たちを、それに触れられる場所があることを教えてくれたオーケンには本当に、今さらながら、感謝してもしきれない。
人の心がわからないと嘯く51歳のオーケンは、けれど、今日のステージの上でとっても嬉しそうな顔をしていたと思った。
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【セットリスト】
揉み毬
しらけちまうぜ
ほうろう
AKEBONO
A Sleeping Dog
Sweets
地獄があふれて僕らが歩く
ゼルダ・フィッツジェラルド
企画物AVの女
テレパシー
En.
Drums Solo
rain
Guru
2016年を振り返る~マンガ編
やるべきことはたくさんあるんだが、そのいろいろの前にやりたいことをさせてもらおう、ということで、2016年振り返りマンガ編。
一応ここまではやらないと、自分の中で年が明けた感じがしない。
今年も、#俺マン2016で挙げた作品を中心に。
卯月妙子『人間仮免中つづき』
— SZ (@fum_sz) December 30, 2016
紀伊カンナ『雪の下のクオリア』
永田カビ『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』
藤本正二『終電ちゃん』
雲田はるこ『昭和元禄落語心中』
梶本レイカ『コオリオニ』
谷和野『はてなデパート』
山本亜季『HUMANITAS』#俺マン2016
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衝撃の自伝的作品『人間仮免中』から数年。
当時、各種ランキング等で「体調が思わしくない」というようなことが多数コメントとして出ていたと記憶していたので(そして、どう考えても、快方に向かうような生活ではないのではないだろうか…? と、素人考えながら思っていたので)、この本が世に出るというだけでとても驚いてしまった。本当に店頭に並ぶのか…? とすら思っていた。
実際に店頭にあるのを確認して、手に取って、レジに持って行って(後述の永田カビさんの新刊と一緒に買った)、カフェでコーヒーを飲みながらゆっくり読んだ。
正直なところ、作者の生活は、病気との闘いという観点からは〇をあげられるものではないのではないかなあ、という気がしていました。
けれど、そういう次元ではなく、「生きていく」「最後の一瞬まで自分らしく生きる」ということを、この人は必死で実践しているんだなあ、ということを、この1冊を読んだことで強く感じたと同時に、自分の浅はかな感想を恥ずかしく思ったり。
どうぞ、ふたり仲良く、お元気で。
雪の下のクオリア (H&C Comics CRAFTシリーズ)
- 作者: 紀伊カンナ
- 出版社/メーカー: 大洋図書
- 発売日: 2016/04/27
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後述の『コオリオニ』もそうですが、昨年は商業BL作品に手を伸ばす機会が増えた年になりました。
紀伊カンナさんはアニメーター出身とのことで、美しい画づくりの元はそこにあったのか…と納得。ただただ切ないほどに美しく優しい少年たちの世界は、誰にも似ていなくて、ずっと浸っていたくなる。
「エトランゼ」シリーズと迷いましたが、単刊完結ということでおすすめしやすいこちらをチョイス。物語としての締め方まで含めてとても美しかった…。 ところで紀伊カンナさん、最近はフィールヤングでも描かれてるんですね。onBLUE→フィールヤングのラインつよいな…
・『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』(永田カビ)
pixiv→Twitterで話題になってすぐに書籍化が発表されてた気がする。
最近はもう、ネットで話題になる作品は早押しクイズかよくらいの感じで版元さんが目を光らせているよなあ。
書籍化に際し、いかにもコミックエッセイ風なタイトルになったのが興味深かった。
このタイトルで敬遠したという声も聞いたけど、コアなマンガファンよりパイの大きいコミックエッセイ読者に届けるために、これはひとつの正解だったんだろうなあ。
いびつな親子関係、そこに端を発するいびつな自分自身をどうにかしたい作者=主人公が、人とのふれあいを求めながら自分を見つめなおす話。
心にいびつなものを抱えている、他のみんなみたいに上手に生きられていないと感じる人に響く内容もさることながら、ピンクを基調にしたかわいい画面、ザッと描かれているように見えるのにかわいらしく親しみやすい画風、ほぼ全編ページ4段組の均一なコマ割り(なのに見飽きない。『マスタード・チョコレート』とかに通じるフォーマット感かもしれない)とか、見るべきところがいっぱいある作品だと思います。
作者のその後の状況と心の動きを描いた『一人交換日記』も、苦しくなる1冊でした。
・『終電ちゃん』(藤本正二)
「終電ちゃん」は、“終電”が擬人化されたような、“終電”の妖精のような、はっきりと説明はしづらいが、そんな存在。路線ごとに存在する“終電ちゃん”たちは、乗り遅れそうな人々を一人残らず終電に乗せ、きちんと家へ帰すことが使命。
終電に乗らざるを得なくなった人、乗れなかった人、いろんな人間たちの事情と、それに“終電ちゃん”たちがそっと寄り添う様を描いた作品です。
終電の時間を気にする習慣のある職場環境にある、すべての人におすすめです。
どんな終電にも“終電ちゃん”がいるのだと考えると、なんだかふっと心が温まる。
関係ないけど、終電といえば谷山浩子さんの「終電座」という楽曲が好きです。
昭和元禄落語心中(10)特装版<完> (プレミアムKC BE LOVE)
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- 出版社/メーカー: 講談社
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よくぞ描き切ってくださった。祝完結、ということで。
老いて弱っていく八雲師匠と、八雲師匠に見えている世界の悲しさと恐ろしさと美しさの描写が圧巻だったのはもちろんのこと、ヨタ、小夏、松田さん…師匠を取り巻くたくさんの人たちの行く末を見届けられてうれしかった。
信之助の父親は誰なのかという点、私、うかつにも、これまで読んでいてあまり気にしたことがなかったなあ。そのへんを含みつつ振り返ると、また全然違った感想が出てきそう。
絶賛第2期放送中のアニメもとっても素晴らしい。超ハイレベルなプロの仕事のぶつかり合い。円盤欲しくなっちゃうなー。しかしアニメの円盤って高いのね…。
・『コオリオニ』(梶本レイカ)
実際にあった事件をモチーフにした、刑事とヤクザのハードBL。通り一遍の説明をするならばそんな感じになるこの作品が、俺マンランキングではまさかの1位。
私は2年前の『高3限定』で初めて梶本さんを知ったんですが、感性のまま描かれていた感の強かったあの作品と比較すると、かなり抑えたというか、論理に寄ったというか、読みやすい作品だと感じました。
全然悪いことではなくて、それだけの力量のある作家さんだったんだなあということを確認できた気がした。
…とか理屈を並べてますが、読んだ直後は「ふわーーーーーすげーーーーー」しか言えなくなる程度には度肝を抜かれました。
キツめのBL描写とバイオレンス描写に抵抗があるとちょっと厳しいかもしれませんが、「あんまり得意じゃない」程度であれば読むべし、です。
ミステリー、サスペンス、クライムアクション……そういうジャンルで、これだけのものを描ける作家さんって何人もいないだろうと思う。
この作品のあと、一度は商業活動を辞めることを考えられたよう。ですが、現在は「ゴーゴーバンチ」で新作を連載中。この才能をマンガ界がみすみす失うことにならず、本当に良かった。
・『はてなデパート』(谷和野)
谷和野さんは3年連続で俺マン入り。この作品ははじめての連作ですが、構成がとても巧みでした。
変わらない、優しくて暖かくて少し不思議な世界観にじーんとする。
百貨店という容れ物が持つ力って、とても大きかったんだろうなあ。
・『HUMANITAS -ヒューマニタス-』(山本亜季)
これはTwitterでおすすめの声を見て読んだ作品。
派手ではないけれど、数奇な生き方をせざるを得なかった人間の生活と生涯を静かに描いた短編集です。硬派な1冊、という印象。
ここ数年は本当に、スペリオール発のいい作品が多いなあ。
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以下は次点に回した作品たち。
・『よなよなもしもし』(丸顔めめ)
よなよなもしもし (POE BACKS BABY COMICS) (POE BACKS Babyコミックス)
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これも商業BL。奇妙な読み味の短編集ながらBLっぽさも十分に満たしていて、そのへんのバランスがいい作家さんなんだろうなあという気がした。
・『西荻窪ランスルー』(ゆき林檎)
アニメ制作会社を舞台にした青春群像劇。10年代版「アニメがお仕事!」的な雰囲気がありつつ、王道ラブコメの香りも出てきてにやにやする。
・『谷崎万華鏡』(中村明日美子ほか)
谷崎潤一郎の小説を超豪華執筆陣が自由にマンガ化した作品を集めたアンソロジー。
なにせ豪華である。個人的に谷崎潤一郎に対して思い入れはないんだが、こういう企画がは老舗出版社らしくて素晴らしいなーと思った。
・『世界で一番、俺が〇〇』(水城せとな)
水城さんの新作は「イブニング」連載ということで、青年マンガ!
以前にこの人の作風は青年マンガ的だと語られていたのをどこかで見たことがあったのを思い出す。
まだ1巻ながら、人の嫌~な面を、読んでいて嫌~な思いをさせないように描き出していくのがやはり上手い。続きが楽しみです。
・『僕たちがやりました』(金城宗幸、荒木光)
つい続きが気になってしまう展開にずるいと思いつつも読み続けてしまう…と思っていたら、最新刊では展開が終息に向かいそうな感じで少し安堵。
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そんな2016年でした。
今年はもうちょっと頻繁にブログを更新したいです(毎年言ってる)
2016年を振り返る~映画編
紅白見つつ映画編。
どうでもいいんだが、実家では母親が紅白嫌いだった&初詣に行く習慣がなかったので、そういう年越しに対する憧れがありました。
一人暮らし始めてから好きなように年越しできて楽しい。
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2016年に観た映画作品は以下の通り。
■あん 2015年/日本/113分/1月9日鑑賞
■同級生 2016年/日本/60分/3月5日鑑賞
■オデッセイ The Martian 2015年/アメリカ/142分/3月21日鑑賞
■リリーのすべて The Danish Girl 2015年/イギリス/120分/4月2日鑑賞
■マジカル・ガール Magical Girl 2014年/スペイン/127分/5月1日鑑賞
■ズートピア Zootopia 2016年/アメリカ/109分/5月14日鑑賞
■マンガをはみ出した男 赤塚不二夫 2016年/日本/96分/6月11日鑑賞
■帰ってきたヒトラー Er ist wieder da 2015年/ドイツ/116分/6月22日鑑賞
■TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ 2016年/日本/125分/6月29日鑑賞
■FAKE 2016年/日本/109分/7月23日鑑賞
■シン・ゴジラ 2016年/日本/119分/8月4日鑑賞
■君の名は。 2016年/日本/107分/9月5日
■ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years The Beatles: Eight Days A Week - The Touring Years 2016年/日本/140分/10月10日鑑賞
■PK PK 2014年/インド/153分/11月1日鑑賞
■この世界の片隅に 2016年/日本/126分/11月22日鑑賞
■映画 聲の形 2016年/日本/129分/12月4日鑑賞
映画館にはスゲー行ってた気がするのに、振り返り見れば17本しか観ていない!
というのは、「ズートピア」を3回、「シン・ゴジラ」を5回、「この世界の片隅に」を2回観ているせいですね…。いろいろチェックだけはしてたんだけどな。
というわけで、あまり意味のないベスト5など。
第5位 リリーのすべて The Danish Girl 2015年/イギリス/120分/4月2日鑑賞
4位までは迷わなかったんですが5位は迷う。観た映画観た映画、今年はだいたい面白かったので。が、ものすごい難役をこなされ、外国人俳優を覚えるのが苦手な私がその名を記憶せざるを得なかったエディ・レッドメインさんに敬意を表してこの作品を。ゾクゾクした…。
ハリポタシリーズ観たことないんですが、レッドメインさんのおかげでファンタビが気になる。
第4位 FAKE 2016年/日本/109分/7月23日鑑賞
友人知人間での評判に釣られて鑑賞。これはこれで、ドキュメンタリーとはいえあくまで一つの作品であり、作り手によるフィルターを通して形にされているものだということを念頭に置いたうえで、演出以上にフィクション的なシーンの数々にゾッとしたりクスクス笑ったり。
第3位 ズートピア Zootopia 2016年/アメリカ/109分/5月14日鑑賞
吹き替えで2回、字幕で1回観ました。ニック役の森川さんが素晴らしすぎたね。
張り巡らされた伏線を猛烈な勢いで回収しながら走り抜ける感覚が気持ちよかった。1回観ただけでは到底拾いきれない小ネタの数々、考察ブログとか見て確認した。
『バンパイヤ』を彷彿とさせるところもあったな。
第2位 この世界の片隅に 2016年/日本/126分/11月22日鑑賞
これねー。これねー。1位と迷ったんですが、原作マンガの存在感が自分の中で大きすぎて映画として冷静に判断できないかもというのがあって、2位にしました。
すでに原作未読層からも十二分に評価されているしね。
でも、もちろん素晴らしい、なんて言葉では表現できない、他に類を見ない映画になっていると思います。ブルーレイ早く出ないかなー。
呉市立美術館でやってた展示に弾丸で行ってきたりもしました。
おお…インスタの長文邪魔だな…笑
第1位 シン・ゴジラ 2016年/日本/119分/8月4日鑑賞
【映画予告編】『シン・ゴジラ(GODZILLA Resurgence)』特報予告TVCM|脚本・総監督:庵野秀明、/出演:長谷川博己、石原さとみ、竹野内豊|Movie Trailer 30sec
既存のゴジラシリーズもエヴァもほとんど通っていないのに、だからこそなのか、何か異常なハマり方をした作品でした。
私が映画をよく観るようになったきっかけは「きっと、うまくいく」だったんですが(この作品に対する思い入れが強すぎるのもあり、同監督・主演タッグの「PK」は、佳作ながらもう一声!感が拭えなかった…閑話休題)、それに続く、自分の映画鑑賞史に残る作品になったと思います。もうなんかスナック感覚で摂取したい。
スピード感とか、ちょいちょい挟まれる笑いとか、良かった要素はいろいろあるんですがどんなに言葉を尽くしても自分の熱量を語り切れる気がしません。
サントラ買った、ブルーレイは予約済、「ジ・アート・オブ~」は金欠ゆえに予約してないんですがンンンンやっぱ欲しい~ッてなってます。
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今年はおなじみの作品ばかりな感じだなー。
悪いことではないけど自分がちょっと物足りない。
来年はもう少しいろいろ観たい!
2016年を振り返る〜ライブ編〜
結局今年もこの時期まで放置してしまった。まずはライブまとめ。
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1/3(日)大槻ケンヂ「オーケンののほほん学校新春SP 正月から全員集合!」ゲスト:内田雄一郎、ナカジマノブ、水戸華之介、あヴぁんだんど他@新宿LOFT PLUS ONE
1/31(日)ROLLY/大槻ケンヂ「武蔵野Jamboree」 @吉祥寺ROCK JOINT GB
2/7(日)特撮「大槻ケンヂ50th生誕祭! 特撮」ゲスト:筋肉少女帯@赤坂BLITZ
2/10(水)Thunder You Poison Viper「ウチダ50」ゲスト:大槻ケンヂ、水戸華之介、和嶋慎治、PANTA、KERA@duo MUSIC EXCHANGE
2/14(日)特撮「ウインカー」発売記念インストアイベント@TOWER RECORDS 吉祥寺店
2/14(日)Foo-Shah-Zoo「新春だよ! フーシャーショースペシャル2016~そして五十路~」@下北沢CLUB251
2/27(土)KERA「Brown, White & Black」発売記念インストアイベント@TOWER RECORDS 渋谷店
2/28(日)特撮「『ウインカー』発売記念ツアー」@名古屋CLUB QUATTRO
3/5(土)水戸華之介「20×5=100LIVE」ゲスト:扇愛奈@渋谷七面鳥
3/11(金)特撮/NoGoD/打首獄門同好会「『ウインカー』ツアー対バン編!」@恵比寿LIQUID ROOM
3/13(日)人間椅子「『怪談 そして死とエロス』~リリース記念ワンマンツアー~」@盛岡Club Change Wave
3/19(土)人間椅子「『怪談 そして死とエロス』~リリース記念ワンマンツアー~」@赤坂BLITZ
4/16(土)水戸華之介「20×5=100LIVE」ゲスト:和嶋慎治@渋谷七面鳥
4/17(日)人間椅子「続・怪談 そして死とエロス」@EX THEATER ROPPONGI
4/23(土)筋肉少女帯「2016筋少1st Live 歌って! 筋肉少女帯!! ゲスト有り」ゲスト:野水いおり、ナカジマノブ、二井原実@恵比寿LIQUID ROOM
4/30(土)水戸華之介「20×5=100LIVE」ゲスト:澄田健@渋谷七面鳥
5/5(木祝)人間椅子「第十二回 人間椅子倶楽部の集い2016」@下北沢Garden
5/28(土)水戸華之介&3-10chain「不死鳥 K(=13)」ゲスト:杉本恭一、和嶋慎治、森若香織@SHIBUYA TSUTAYA O-WEST
6/5(日)DANDELION/ZITA「タイムトラベラー」@学芸大学APIA40
6/11(土)水戸華之介&3-10chain「不死鳥ワッショイ!~『人間ワッショイ!』発売記念ツアー」@名古屋ell.SIZE
6/15(水)戸川純/人間椅子@新宿LOFT
6/24(金)大槻ケンヂ「オーケンののほほん学校」ゲスト:和嶋慎治、ナカジマノブ@新宿LOFT PLUS ONE
7/1(金)人間椅子「地獄の道化師」@新潟Golden Pigs Red
7/10(日)人間椅子「地獄の道化師」@新宿ReNY
7/13(水)水戸華之介+内田雄一郎/ROLLY「武蔵野Jamboree」@吉祥寺ROCK JOINT GB
7/30(土)水戸華之介&3-10chain「夏休みだよ、人間ワッショイ!」@下北沢CLUB251
8/6(土)大槻ケンヂ「復活祭弾き語り編! ~声帯ポリープ手術から復活したオーケンがついに東京で歌います!!」ゲスト:内田雄一郎、水戸華之介@池袋Black Hole
8/12(土)、13(日)筋肉少女帯ほか「RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO」@石狩湾新港樽川埠頭
8/18(木)筋肉少女帯/人間椅子/筋肉少女帯人間椅子「地獄のアロハLIVE Blu-ray & DVD発売記念ツアー」@大阪BIG CAT
8/21(日)筋肉少女帯/人間椅子/筋肉少女帯人間椅子「地獄のアロハLIVE Blu-ray & DVD発売記念ツアー」@豊洲PIT
9/18(日)華吹雪ほか「ナカジマノブ博2016」@下北沢CLUB Que
9/22(木)大槻ケンヂ「オーケンののほほん学校『再結成10周年記念パーフェクトベスト+2』発売SP新宿編!」 ゲスト:橘高文彦、本城聡章、内田雄一郎@新宿LOFT PLUS ONE
9/30(金)大槻ケンヂ/ROLLY/人間椅子「勝手に前夜祭〜地獄の三つ巴」@青森Quater
10/1(土)人間椅子ほか「夏の魔物2016」@夜越山スキー場
10/7(金)特撮「SHINJUKU LOFT 40TH ANNIVERSARY 40 YEARS × 40 LIVES」@新宿LOFT
10/27(木)筋肉少女帯「再結成10周年パーフェクトベストTOUR」@SHIBUYA WWW X
10/29(土)水戸華之介「ウタノコリ~そっとあるがまま」@新大久保R's アートコート
11/2(水)筋肉少女帯「再結成10周年パーフェクトベストTOUR」@新宿BLAZE
11/12(土)筋肉少女帯「再結成10周年パーフェクトベストTOUR」@名古屋CLUB QUATTRO
11/23(水祝)筋肉少女帯インストアイベント@TOWER RECORDS 新宿店
11/26(土)筋肉少女帯「再結成10周年パーフェクトベストTOUR」@EX THEATER ROPPONGI
12/10(土)水戸華之介&3−10chain/MAGUMI & THE BREATHLESS「毎年恒例! P-ROCKだよ全員集合!」@下北沢CLUB251
12/11(日)特撮「2016 ファイナルウォーズ 空想ルンバ」@赤坂BLITZ
12/23(金祝)筋肉少女帯@恵比寿LIQUID ROOM
12/29(木)華吹雪ほか「KOGA COVER NIGHT」@下北沢CLUB Que
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合計45本。じわじわ減っている。
体調不良により断念したライブが2本あったり、行く気満々だったのに忙しくて行けなかったのが2本あったりという事情もあり。
以下、今年も特に印象深かったものをピックアップ。
■2/7(日)特撮「大槻ケンヂ50th生誕祭! 特撮」ゲスト:筋肉少女帯@赤坂BLITZ
オーケン50歳のお祝いは例年ののほほん学校ではなく特撮のワンマンライブ。に、筋少がゲスト出演するという形でした。
以前の筋少特撮対バンでは両バンドのセッションがなくて残念だったけど、今回は最初からセッションあり、を謳ってのイベントでした。
そのセッションというのが、おいちゃん曲にして特撮ライブではレア曲である「ピアノ・デス・ピアノ」! しかも終盤の掛け合いはおいちゃんとナッキーのツインボーカルというスペシャルバージョン!
良いものを見た。本当に、良いものを見て、聴いた…。
ニューアルバム「ウインカー」リリース後の最初のライブだったので、新曲…特に「ハザード」→「荒井田メルの上昇」の流れが、これまでの特撮とはハッキリと異質な雰囲気で印象的でした。
改めてオーケンおめでとうございました!あの編成でのピアノ・デス・ピアノが聴けて感無量すぎた…!特撮ツアーも楽しみだー!
■2/10(水)Thunder You Poison Viper「ウチダ50」ゲスト:大槻ケンヂ、水戸華之介、和嶋慎治、PANTA、KERA@duo MUSIC EXCHANGE
で、その3日後に今度はうっちーの50歳のお祝いライブ。
「サンダーユーには専任ボーカリストがいないので、友達のボーカリストをいっぱい呼んだ」とのことでした。
その「友達のボーカリスト」さんたちが揃いも揃って愉快なおしゃべりさんたちばかりだったものだから、もうおかしいほど笑った。
最後、「コミック雑誌なんかいらない」を全員でセッションする前に、うっちーが「このメンツでこの曲をやりたかったー!」と言っていたっけな。マンガみたいなおもしろおじさんたちの夢の競演でした。
この日が自分の30歳の誕生日だったということもあり、感慨深かった。
ウチダ50!ハイパーたのしすきる時間をありがとうございました!うっちーの人徳だなあ…
■2/28(日)特撮「『ウインカー』発売記念ツアー」@名古屋CLUB QUATTRO
2016年は個人的にはとにかくいろんな災厄に見舞われた年だったんですが、その1発目が、この時期に腸炎になったこと。
「ウインカー」リリースツアー初日、もちろん参戦予定だった渋谷WWW公演…の、前日に、突如39度台の発熱。職場で発症者がいたこともあり、すわインフルかと思ったんですがそうではなく、2,3日で熱が下がったあともひたすらOPPという…。発症直後の時点でおかゆとかヨーグルトとか、消化のいいものを選びつつもわりと普通に食事をしてしまったのがまずかったようで、2週間ほど症状を引きずりました。(水分だけ摂取して完全絶食が良いらしいです)
…そんな中で、体力6割くらいの状態で、でもどうしても1か所は行きたくて、なんとか新幹線に乗り込んで行ってきた名古屋公演でした。
一番後ろから見た「7人の妖」でのサイリウムの海がとても綺麗で、弱った心身に沁みて、なんだか泣けてしまった。
今日はライブに!来た日なんだ!特撮ウインカーツアーファイナルおつかれさまでした🚘とっても良いライブだった!
■3/13(日)人間椅子「『怪談 そして死とエロス』~リリース記念ワンマンツアー~」@盛岡Club Change Wave
その後体調も回復し、今年最初の遠征は椅子のリリースツアーで盛岡へ。
前日には花巻温泉の湯治宿に宿泊。電波の弱いガチ山奥で静かな時間を過ごしました。
歴史を感じさせる風情と現代都市らしい便利さが自然に共存する盛岡の街並みも、とっても味わい深かった。もはやライブと観光とどっちがメインかわからんね。
もちろんライブも盛り上がりました。「南部の人は津軽の人間と比べて優しい、あったかい」というMCが記憶に残っている。
椅子盛岡前日に、ケンジさんの足跡をふんわり辿ってきました。イーハトーブが彼の故郷!
■4/23(土)筋肉少女帯「2016筋少1st Live 歌って! 筋肉少女帯!! ゲスト有り」ゲスト:野水いおり、ナカジマノブ、二井原実@恵比寿LIQUID ROOM
オーケン的2016年トピックといえば声帯ポリープ除去手術。そのための休養前最後のライブでした。企画が発表になったときはまさかそんなこととは想像もしなかったな。
素晴らしいゲストと、バンドのメンバーと、オーディエンスの心がまあるくひとつになったライブだったと思う。みんなで笑顔で、「待ってるよ!」っていう思いをこめて、オーケンを送り出すことができた。
後でシングル「人から箱男」限定版にこの日のライブ映像と音源が収録されて形に残ったこと、なんだかとても誇らしくて嬉しかった。
筋少リキッド最高でした!!!!おーけん、本当にお大事に、無理せず、ゆっくり静養して、元気に戻ってきてね!
■8/12(土)、13(日)筋肉少女帯ほか「RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO」@石狩湾新港樽川埠頭
で、無事に手術を終えたオーケンの、バンドでの復帰ステージが、このRSR!
お盆のど真ん中、北海道、宿も飛行機もとんでもねえ値段!
でも、年に1度は野外フェスで筋少を観たい! 有名なフェスだし単純に行ってみたい! 他のメンツもめっちゃ豪華だし絶対たのしい!
ということで、意を決して行ってまいりました。ANAがいろいろトラブってて大変だったなあ。私は成田からLCCだったので無事でした。初めて空港で夜明かしした…
がっつりステージを観たのは初日はPUFFY、Cocco、岡村ちゃん。岡村ちゃんではしゃぎすぎて何も考えずラストまでいた結果みごと終電を逃しました。
2日目は大黒摩季、筋肉少女帯、人間椅子、Roots66セッションを少し、という感じ。久しぶりの筋少(エディは欠席)、なぜか割り当てられたせまーいステージは当然のように超超超満員! オーケン堂々の復活アクトを目撃できて嬉しかった。
翌日には北の恵みを堪能し、最高の夏の思い出ができました。
いろいろ後ろ髪を引かれつつ、roots66の氷の世界を見届けたところで撤収します!花火うまく撮れなかった!ありがとうRSR、また来たいな!
教えてもらったお店でうにいくらホタテ丼をキメてから札幌を去る。ンマかった……小野の新作ケーキを食べた時のエイジみたいな顔になった……食べ終わるのもったいなかった……
■10/27(木)筋肉少女帯「再結成10周年パーフェクトベストTOUR」@SHIBUYA WWW X
■11/2(水)筋肉少女帯「再結成10周年パーフェクトベストTOUR」@新宿BLAZE
■11/12(土)筋肉少女帯「再結成10周年パーフェクトベストTOUR」@名古屋CLUB QUATTRO
■11/26(土)筋肉少女帯「再結成10周年パーフェクトベストTOUR」@EX THEATER ROPPONGI
恒例の秋の筋少ツアー、今年は再結成10周年を記念して発売された、再結成後の音源からチョイスしたベスト盤(と、カラオケDAMとコラボしたシングル「人から箱男」)のリリースツアーとなりました。
11月上旬まで仕事がちょっとだいぶ大変な状況だったので、ド平日の2公演はバタバタ。名古屋公演の直後からまた体調を崩し(今度は気管支炎だった。40度前後の発熱が3日続いた)、大阪を泣く泣く見送る形になりました。
というわけで、自分の身体の様子を見ながらのツアーだったんですが、そのことをつくづくもったいないと思った、とっても良いツアーでした。
いやいつだって筋少は最高なんだけど、「再結成10周年」の重みが1公演ごとに増していくような、そんな感じがしたんだよな。
10年。いつも在ってくれて有難う。これからもずっとお互いに元気に歳を重ねられるように、もう本当に、心の底から、自分の人生をもっと丁寧に生きようと思った。
このあたりの心の動きはあらためて書きたいと思ってます。思って…ます…
求めていたのはこれだったなあ、と実感した夜でした。再結成、10周年、めでてえな!!✨ツアー初日、コンパクトな箱でギュッと近い距離で、賑々しくお祝いできて良かった!
というわけでハイパードタバタな平日ライブでしたがたのしかった!ブレイズ、観やすそうな箱でした
2017年は、健康に、丁寧に、自分を大切に生活したい。
その意味で、逆説的ながらまた少し参戦本数が減るかもなーと思っています。
ライブに依存するような、ライブを逃げ場として捉えるような考えからは解放された気がしている。
2015年を振り返る〜マンガ編
振り返りマンガ編は、#俺マン2015 に自分が挙げた作品を中心に。
猪川朱美『鵼の絵師』
日下直子『どうにもこうにも』
沖田×華『透明なゆりかご』
宮崎夏次系『夕方までに帰るよ』
よしながふみ『大奥』
柳本光晴『響〜小説家になる方法〜』
宮崎克・あだちつよし『怪奇まんが道』
谷和野『魔法自家発電』
清家雪子『月に吠えらんねえ』 #俺マン2015
— SZ (@fum_sz) December 30, 2015
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■『鵼の絵師』(猪川朱美)
『鵼の絵師』(猪川朱美)「ネムキ」連載らしく幻想的な雰囲気はありつつ、地に足のついた短編連作。構成もストーリーももちろんとても良いけど、個人的には主人公をはじめとする成人男性キャラたちの影のある色気が最高 https://t.co/u4uceipr2q #俺マン2015
— SZ (@fum_sz) December 30, 2015
あー、セルフリプライの形でぶら下げてたんだけどこうしてまとめるとしつこいですね…すみません。
1、2巻発売時に地元の書店で大プッシュされていたのがきっかけで読んだ作品。丁寧に、丁寧につくられている作品、という印象を持っています。地味に話題にはなっていたようですが、もっと広く知られて良いと思う。
kindle化されている、作者さんの過去作品も良かった。
■『どうにもこうにも』(日下直子)
『どうにもこうにも』(日下直子)祝完結。デビューはしたもののうまくいかず挫折感に打ちひしがれる少女漫画家が、ひょんなことから専門学校で学生にマンガを教える立場に。ふっと差し込まれるギャグ、学生たちのキャラが良かった https://t.co/sAkbmk5MVx #俺マン2015
— SZ (@fum_sz) December 30, 2015
収まるところに収まった大団円、という感じ。小粒な印象ではありつつ、良い作品だったなあと思います。これもひとつの「マンガ家マンガ」の形かな。マンガが大好きな、マンガ家を目指す若者たちが増えてくれることを切実に祈る。
■『透明なゆりかご』(沖田×華)
『透明なゆりかご』(沖田×華)今年は育児もの、乳児ものが注目を集めたけど、この作品は衝撃的な事例を描いているのに目線がとてもフラットな気がした。「母になること」の重みが淡々と、客観的、理性的に表現されていると思う https://t.co/KYNpEu08Yg #俺マン2015
— SZ (@fum_sz) December 30, 2015
ニュース記事で知って、すぐにkindleで買って読んだ。気になったらすぐ買える、すぐ読める電子版は、こういうセンセーショナルな作品とは相性抜群ですね。紙版が結構長い間品切れだったような記憶がある。この画風でこの題材を描いてしっかり読ませられるというのは、すごくネームが上手いということだと思う。
■『夕方までに帰るよ』(宮崎夏次系)
『夕方までに帰るよ』(宮崎夏次系)待望の単行本化ということで入れないわけにいかない。現在までのところ唯一の長編作品ということになるのかな(『ホーリータウン』は連作集なので)。デビュー作からこれって…改めて恐ろしい https://t.co/U6XkOItnrb #俺マン2015
— SZ (@fum_sz) December 30, 2015
ここ数年、「最近おすすめのマンガ家は?」と聞かれると大抵、宮崎夏次系さんの名前を挙げています。デビュー作である本作を 「モーニング・ツー」で読んだ時の衝撃はいまもなんとなく覚えている。この作品の頃のキンキンに尖った表現が、次作以降は少しずつマイルドに、より多くの人にわかりやすい表現に変わってきているところもこの人のすごいところだと思います。加筆修正されているそうで、雑誌、取っておけばよかったなあ。
■『大奥』(よしながふみ)
『大奥』(よしながふみ)今さらという気もしなくもないのだが、今年たまたま全巻読み返したのと、最新刊の治済が怖すぎたのと、時代が動いた記念で。全くテンションが落ちないのが凄いな…いよいよ幕末ということで今後も楽しみ https://t.co/7nvVpa8PJF #俺マン2015
— SZ (@fum_sz) December 30, 2015
赤面疱瘡の克服という一番大きなターニングポイントが描かれ、ここからは史実のほうに寄っていく展開かと思いきや、次の将軍はまた女子なのよね。まだまだ目が離せない。この作品と『風雲児たち』を併せて読むのはかなりオススメです。
■『響~小説家になる方法~』(柳本光晴)
『響~小説家になる方法~』(柳本光晴)静かに破天荒な主人公の読めない行動にハラハラさせられる。今後の展開によるところが大きいだろうけど、とてもスリルのある作品。あと、小説や小説家を題材にしたマンガって意外に新鮮だ https://t.co/MEiGe0dbuw #俺マン2015
— SZ (@fum_sz) December 30, 2015
『きっと可愛い女の子だから』が非常にツボだった柳本さん。の作品だということに当初は気づきませんでした。主人公のキャラ、展開、サブキャラとのドラマ…どこを掘り下げていくのかが想像つかなくて面白い。
『怪奇まんが道』(宮崎克・あだちつよし)『ブラック・ジャック創作秘話』のノリで敢行された、錚々たるホラーマンガ家たちへのインタビュー。ブームの残り香をギリギリ感じていた世代としても興味深く、非常に面白かった https://t.co/al3ueNpqo0 #俺マン2015
— SZ (@fum_sz) December 30, 2015
マンガの原体験の一部に、間違いなく犬木加奈子先生の存在がある。ホラーは児童書やりなちゃ系ではかなり盛り上がっているジャンルなんだけど、上の世代に広がらないのはやはり、スマホ系コンテンツにお客を取られているのかなあ(comicoなどのマンガ含め)。
■『魔法自家発電』(谷 和野)
『魔法自家発電』(谷和野)昨年の『いちばんいいスカート』に続き、今年も入れられて嬉しい。あたたかくて少し不思議、なんとなく絵本のようでもある世界観を堪能できる作品集。ちょっぴりSFなところも良かった https://t.co/8Mh0X8GM1k #俺マン2015
— SZ (@fum_sz) December 30, 2015
24年組の血を受け継ぐ作家さんにもいろいろいるけれども、この人はやはりモーさまの流れだろうなーと思う。タイトルのセンスも良い。
■『月に吠えらんねえ』(清家雪子)
『月に吠えらんねえ』(清家雪子)4巻まで通して読んで、圧倒的な想像力と偏執的なほどの表現に震えた。壮絶で、危なっかしくて、「持ってかれる」感じがたまらない。「文芸もの」「文士もの」のひと言ではくくれない作品 https://t.co/ekZdrmeiOZ #俺マン2015
— SZ (@fum_sz) December 30, 2015
1巻が出た時に読んで、その後続きを読んでいなかったんですが、昨年ひょんなことから通読する機会があり。恐ろしいエネルギーのある作品だった。世界観の構築と狂気スレスレの描写の完成度がすごく高い。これ、描いている側の消耗も半端じゃないんじゃないのかな…おまけマンガのテンションにほっとする。
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俺マンは毎年、1ツイート内に収めるという自分ルールを敷いているので、当然ここからあぶれた作品もあります。次点に回した作品はこんな感じでした。
■『町田くんの世界』(安藤ゆき)
騒がれだしてから読んだんですが、これは確かにすごい作品。一見、手を抜いているように見えかねない抑制された表現が、独特の空気を醸成していると思う。
■『高杉さん家のおべんとう』(柳原望)
祝!完結!私の中では『花もて語れ』と同じポジションの作品でした。
■『チェイサー』(コージィ城倉)
ネタ切れするんじゃないかと思いきや、巻を追うごとにしっかり面白くなっていく。コージィ城倉作品はいずれちゃんと読みたいです。
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今度からもうちょっと書き方(つーかリンクの貼り方)考えよう…
とりあえずそんな感じで、今年も面白いマンガいっぱい読みたいです。