バンブツルテン

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筋少全アルバムレビュー(1/3)

昔、某所に投稿したものを少し手を入れて載せてみます。
単独記事で感想書いてる作品もありますが、まあいいじゃない。

1st 仏陀L

仏陀L(紙ジャケット仕様)仏陀L(紙ジャケット仕様)
(2009/07/22)
筋肉少女帯

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メジャー1枚目。
ハードロックとプログレとパンクの要素が、
エディの超絶ピアノとオーケンの気持ち悪いボーカルと不条理な詞を媒介に
ごちゃまぜにされていて、なんだかよくわからんが凄い、という印象。
ライブでの定番になる「サンフランシスコ」「釈迦」はこのアルバム収録。
良くも悪くもインディーズ時代のアングラ臭が強く漂っており、クセが強い。
初めて聴くのにはオススメしないが、面白い曲はたくさん入ってる。

2nd SISTER STRAWBERRY

SISTER STRAWBERRY(紙ジャケット仕様)SISTER STRAWBERRY(紙ジャケット仕様)
(2009/07/22)
筋肉少女帯

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ミニアルバム。
ドラマーとギタリストの交代によりややハードロック色を強めるが、
バカ丸出しな「日本の米」から物語性の強いアングラ大作「いくじなし」まで
振れ幅が非常に大きく、後の筋少の懐の広さにつながっている気がする。
「キノコパワー」でのエディとサポートギタリスト・横関さんのバトルは鳥肌もの。
とにかく名盤。このアルバムをもってエディが脱退。

3rd.猫のテブクロ

猫のテブクロ猫のテブクロ
(2009/08/19)
筋肉少女帯

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エディに代わって橘高・本城の二人のギタリストが加わる。
「これでいいのだ」「日本印度化計画」はこのアルバム収録。
映画の曲のカバー以外はほとんどがオリジナルメンバーである内田の作曲なので、
音的にはまだ最初期の延長。
二人のギタリストそれぞれの個性+オーケンの語り、
コール&レスポンスという90年代筋少の基本的な要素が詰め込まれたキャッチーな2曲+
前作までのプログレ的物語世界を前面に出した後半の5曲という配置も見事で、
ボリューム的にはちょっと物足りないものの
「90年代の筋少」1枚目にふさわしいアルバム。
本城のカッティングが冴えわたる!

4th.サーカス団パノラマ島へ帰る 

サーカス団、パノラマ島へ帰るサーカス団、パノラマ島へ帰る
(2009/08/19)
筋肉少女帯

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作曲陣に橘高が加わったコンセプトアルバム。
旧盤はジャケットが凝っていて、ブックレット部分が絵本のようになっていた。
バンドブーム全盛の頃の作品で、筋少で一番売れたアルバムらしい。
全体的にひたすら重くて暗く、トータルでの流れは美しいが、
一聴して単体で印象に残る曲は少なめか。
(ただ、「ビッキー・ホリデーの歌」と
「詩人オウムの世界」の2曲は個人的にキラーチューン)
メンバーもそれは感じたらしく、ラストに「元祖高木ブー伝説」を収録。
コンセプトアルバムによくあるオマケ的、アンコール的な1曲になっている。

5th.月光蟲

月光蟲月光蟲
(2009/08/19)
筋肉少女帯

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中期筋少の代表作として評価の高い作品。
いかにも「アングラです!サブカルです!」みたいなジャケは沼田元氣デザイン。
音はプログレ路線ながら、橘高のギターで曲によってはかなりメタル寄りに。
ファンキーな「僕の宗教へようこそ」、
曲調自体はポップで明るい「サボテンとバントライン」、
バリバリのメタル楽曲「イワンのばか」等、
単体でもインパクトのある曲が多く、
それでいてアルバム全体の統一感も保たれている。


6th.断罪!断罪!また断罪!! 

断罪!断罪!また断罪!!断罪!断罪!また断罪!!
(2009/09/16)
筋肉少女帯

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ミニアルバム。
当時の筋少の魅力がコンパクトにまとまっていて素晴らしい。
オーケンの絶叫に始まり、
ヤケクソ気味なキャッチー路線の「踊るダメ人間」、
メタル要素としての「パブロフの犬」、美メロ要素(なんだそりゃ)「代わりの男」、
そしてプログレ要素「何処へでも行ける切手」
綾波レイのモデルが登場する曲ですよ)と
1曲1曲が強力で、各メンバーの個性が存分に発揮されていて、
これ1枚聴けば90年代の筋少がわかるというようなアルバムになっている。
初めて聴くのにおすすめかもしれない。

(文中敬称略)