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バンブツルテン

観たり読んだり聴いたり行ったり考えたり

温泉とネコと歴史とマンガを求めて〜宮城・石巻の旅(1) まだ石巻には行かないよの巻

9月3日金曜日、スーパー残暑で天気は快晴。
新幹線Maxやまびこに飛び乗って東京から仙台へ向かう。
なぜはやてにしなかったのかと問うならば、
できれば旅をするなら鈍行列車がいいと常々願っている身ながら
時間的制約によりそれが叶わないことへのせめてもの抵抗であります。

だがしかし! だがしかーし!
乗ってみて大いに後悔しました。
Maxやまびこ、1階席だったんです。

あのね、本当に、旅慣れている人には今更な話でしょうが、
車窓からの風景を堪能したければ、Maxやまびこ1階席、あれはいけません。
仙台に着くまでの間、ほぼ壁しか見えず、駅では人の足しか見えません。
しかたないのでiPhoneと持参した縫製人間ヌイグルマー (角川文庫)のお世話になる。

出鼻をくじかれつつも、電車やウィルベリーズ
「旅」を彷彿とさせるBGMで気分を盛り上げて、仙台に着いたのは午前10時過ぎ頃。
第1の目的に向かう前に、予習時に「ついでに行ってみたいなー」と思っていた
東北歴史博物館を目指し、仙台から東北本線国府多賀城へ。

なぜ歴史博物館なんて地味なスポットに…と思われる方もおられるかもしれないが、
実は一応文学部日本史学科の出身者として、
「歴史」に反応するアンテナは備えていたりします。
あとは、5月に長崎旅行をしたときに行った長崎の歴博がものすごく面白かった経験から。

変な時期だし、平日だし、場所が場所だしで空いているだろうなーと思ったら
案の定純粋な客はほとんどおらず、地元の小学生が見学に来てました。

展示内容自体は、東北ということで古代〜中世が中心。
個人的な興味の範囲が近世以降なので、あまり惹かれず。
ただ、東北地方の農村の慣習「お人形様」関係の展示は大変に興味深かった。
来る前にみうらじゅんの『とんまつりJAPAN』を読んでしまったからかもしれないが。
最近この手の民俗系に結構興味が向いています。
遠野にも行ってみたいなーなどと思いつつ博物館を出る。

博物館の隣には、石巻から移築されたという
江戸時代の村の庄屋(この地方では「肝入」と呼んだ)の屋敷があり、
中を自由に見学することができる。
説明員のおじいちゃんたちがお客さんを待ち構えています。

ひとしきり見学後、今度は駅の反対側にある多賀城政庁跡へ。

ここ、今は本当に「跡」で、ただただだだっぴろい空間に
ちょこちょこと説明板や碑があるだけなんですが、
かつてこのだだっぴろい空間に城があったという事実が
歴史アンテナを持つ者にとっての萌えポイントです。

多賀城政庁跡より

ここへきてようやく写真。多賀城政庁跡より。
草が生い茂ってるのでバッタとトンボの多いこと。
3-10chainの「ハーイここまで」を脳内BGMに、駅へ戻る。
今思えばあの炎天下をここまでアグレッシブに動き回れるというのは、
やはり旅の魔力だなあ。

国府多賀城から再び東北本線で一駅、塩釜にて下車。
時間があったら塩竃神社も行ってみたいと思いつつ(結局行けなかった)、
第1の目的へ。

長井勝一漫画美術館

長井勝一漫画美術館
伝説のマンガ雑誌「ガロ」の初代編集長・長井勝一氏の記念館です。
『金魚屋古書店』4巻所収、「金魚屋日記〈塩竃の巻〉」が
この施設の存在を知るきっかけでした。
ガイドブックの「塩釜」の項にも載っていない(神社と魚介の話ばっかりだぜ!)、
地元の生涯学習センター内にあるという、非常に小規模でマイナーな美術館。

でも、マンガ好きとして、「わざわざ」ここまで来た甲斐はすごくありました。
長井さんと「ガロ」と日本の昭和の歩みをあらわした年表、
歴代の「ガロ」に携わった数多のマンガ家の原画
(引き出しの中に展示っていうのは本当にいい方法だと思う)、
長井さんの仕事場再現、長井さんあてのマンガ家たちからのハガキ、
亡くなったときの寄せ書き等々、見ごたえ十分。

日本のマンガの進化の上で多大な助力となったであろう長井さんに
しばし想いを馳せた後、パンフレットをもらってセンターを後にする。
ちなみにパンフレットは結構上質な紙で作られていて、
受付で言わないともらえません。

お昼に塩釜の魚介グルメとかも計画してたんですが
よく考えたらそんなに私魚介好きじゃねーや(…)と思い直し、
時間も時間なので(この時点で14:30頃)西塩釜駅まで歩き、
仙石線で松島海岸を目指す。

国内有数の名勝地である松島、実はそんなに興味なかったんですが
いざ行ってみると、これはなかなか感動します。

松島湾

きれい!

クルージングに乗るか否か迷いつつも、歩いて雄島を散策。
鬱蒼と茂る木々と海風でちょっとひんやりするくらい涼しい。
雄島・奥の細道
芭蕉さんは曽良君とここへ来たものの、あまりの名勝ぶりに言葉が浮かばず、
よい句を詠めなかったという伝説があったりするらしいです。

途中あずまやで休憩したり、木々の切れ間からのぞく海と
海上に小さく見える島々をぼーっと眺めたりと、なんだかんだ軽く1時間は滞在。
美しい景色と歴史の凝る島、良かった!
四大観もクルージングも今回はお預けだったので、また来たいなーと思いました。

松島海岸から仙石線で仙台へ。
とりあえずバス乗り場を確認してから、駅周辺をうろうろ。
その辺の牛たん屋さんで牛たんと仙台牛の定食を食す。
テールスープ、牛たん焼き、南蛮味噌のしそ巻き、大変おいしゅうございました!
味音痴ゆえ「その食べ物が好きか嫌いか」でしか判断できない
残念な舌の持ち主の私ですが、牛たん定食はストライクでした。美味かったー。

腹も膨れたところでそろそろバスで本日の宿へ。
同乗のイタリア人っぽい女性が洋服の後ろのボタン全開でブラの後ろ部分が丸見えで
(暑さからあえてやっている様子)なんか無駄にドキドキしつつ小一時間、
仙台の奥座敷・秋保温泉に到着。

チェックインしてしばしくつろいだ後、露天風呂へ。
お客さん少なくて快適でした。たっぷり40分くらいは入っていた気がする。
マッサージ頼んでみようかなーでもそこまで豪遊できる身分でもないよなーなどと思い、
23時頃にはおとなしく寝床に入ったのでした。
今回の旅の裏テーマは「のんびりくつろぐこと」。
いやっちゅうほど寝てやるぜ!

そして宮城1日目の夜は更けてゆく。