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『ラス・マンチャス通信』(平山瑞穂)

ラス・マンチャス通信 (角川文庫 ひ 19-1)ラス・マンチャス通信 (角川文庫 ひ 19-1)
(2008/08/25)
平山 瑞穂

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角川文庫のブックカバーがもらえるキャンペーンに応募しようと思って
数合わせで買ったものだったりしたのですが
(もちろん裏表紙のライナー見て面白そうだなと思って選んだんですが)、
なんていうかもう、久々にものすごい小説を読んだと思いました。
続きが気になって夜っぴて読んじゃったのなんていつ以来だろう。

帯を見てもライナーを見てもいまいちどういう内容なのかわかりませんが、
実際に読んでもどういう内容なのかを説明するのは非常に難しい作品です。
不条理といえば不条理ですが、その一言で片付けるにはあまりにも
盛り込まれているドラマに引き込まれるし、カタルシスとはいえないまでも
結末らしい結末にきちんと落ち着く。
(実は読みながらこれが一番不安でした。
オチを投げっぱなしにするタイプの作品が好きじゃないので・・・)
文体も過不足なく読みやすく、美しく、後を引き、読むのをやめられない小説でした。

「ああ面白かった!」と思わされる種類ではないけれど、
最後まで読まなければざわざわと不安な感じが心に残りそう。

うーん、まだ余韻を引きずっていてうまく書けない。
とりあえず作者の文庫化されてる他の作品を買ってこようと思います。