バンブツルテン

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「きっと、うまくいく」(3 Idiots)

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(2013/12/03)
アーミル・カーンカリーナ・カプール

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この作品のことを語りたいがために映画・演劇カテゴリを作りました。
これからなるべく感想とか書いていけると良いな。

映画を観る習慣のない家庭で育ち、その環境にあってマンガや演劇に親しんだ結果なのか、
長らく映画という表現ジャンルにあまり興味を持てずにいました。
ただ、それがもったいないなあという気持ちも同時にずっとあり(手塚治虫オーケンも映画好きだしね)、
好きなマンガやミュージシャンに関連した作品などは社会人になってからは観るようにはしているのですが
それでも「映画」という媒体自体に興味がわく、というところまで行きませんでした。

昨年秋ごろから、いくつかものすごくおすすめされる作品があったことがきっかけで
映画館に頻繁に足を運ぶことをし始めました。
年末に立て続けに観た「風立ちぬ」「ゼロ・グラビティ」がどちらもわりと「映画って面白いなあ」と思えて、
勢いづいたところで、タイトルだけはよく聞いていたこの作品を柏の映画館でアンコール上映していると知り、
暇を持て余した正月休みに東武野田線に揺られて観にいってみました。
そうしたら、ハマりました。

とにかく評判が良いということと、上映時間170分という高めのハードルにやや覚悟を決めて観たのですが
そんなハードルは軽々と飛び越えました。もう、もう、すっごく面白かった…!
どのくらい気に入ったかというと、映画館で観たその日の夜にDVDとサントラを購入し、
それから1週間経つ今もサントラをヘビロテしてDVDを毎日のように繰り返し見ているくらいです。

爽やかな学園ものらしい雰囲気に清涼感をおぼえ、随所にちりばめられるギャグに大笑いし、
とても魅力的な登場人物たちの身に次々と起こる事件にハラハラし、号泣し、
ミュージカルシーンにはこちらも踊りだしたくなるくらいにウキウキし、雄大な自然風景に感動する。
そして、物語が進むにつれて丁寧に張り巡らされた伏線が見事に回収されていく、
絶妙な構成、脚本に唸らされる。
観終わった後には圧倒的に豊かな時間を過ごした満足感と、
それをもう一度味わいたいという気持ちが残る。

このたのしさをどう表現したらいいんだろうと考えていたら、
一番近いのはディズニーランドのスプラッシュ・マウンテンとかじゃないかなあと思いました。
個人的な感覚ですが、ミュージカルシーンやカリカチュアされたベタベタなキャラクターの存在にも
昔のディズニーアニメっぽい雰囲気を感じます。
(といって、ディズニーアニメだってほとんどまともに見たことないので完全にイメージですが)

あと、インド映画というのは「突然のミュージカルシーン」ってのがお約束のようで
なかば揶揄されているようなところもあるようですが
突然ダンス(や歌)が挿入されるっていうのは、いわゆるミュージカルではない演劇でもよくあることだし
個人的にはまったく違和感はないなー。
(もちろん、この作品にはうまくハマっているだけでほかのインド映画では違うのかもしれませんが)
メインテーマである「Aal Izz Well」もその後のシーンとの緩急まで含めてとても好きだけど、
「Zoobi Doobi」の方も、恋に落ちた瞬間の心理がすごく明確に楽しく表現されていて秀逸だと思う。

日本語字幕だけだと細かいところまで理解できていないんだろうなーと、
英語字幕版のDVDも買おうかなと思っています。

これから、もっといろいろな映画を観てみようと思っていますが、
なんとなくこの作品はベスト1の座に輝き続けるんじゃないかなー。
あまりそのジャンルに馴染みがないうちに触れた名作の存在感って大きくなるんだよね。

出会えて本当に良かった映画。
自分にとって大事で大好きな作品がひとつ増えました。