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バンブツルテン

観たり読んだり聴いたり行ったり考えたり

最近読んだもの感想まとめ

広告が目ざわりなので軽く更新。
今年はブログもうちょいがんばろうと思っていたのだが意志が弱い…

昨年から今年にかけて読んでおっ!と思ったもので、あまり話題になっていない作品の感想など。

・『バベルハイムの商人』(古海鐘一)

バベルハイムの商人 001 (BLADE COMICS)バベルハイムの商人 001 (BLADE COMICS)
(2012/04/10)
古海 鐘一

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「運命金貨」なる特殊な通貨を使って特殊な商売をする悪魔・ユージンを狂言回しに、
その通貨を手にした人間たちの悲喜劇を描く。
構成としては『笑ウせぇるすまん』に似た…というかオマージュ的な雰囲気すら感じる。
ユージンもセールスマンだし。
「どんなことでも叶えられるけれど、制約は守らなければならない」というルールを
どうしても破ってしまう人間の愚かしさ。時には、その制約すらも上手く使いこなす強かさ。
その巧みな物語構成に加えて、悪魔たちの造形や、人間たちの心理状態のイメージ表現などの
ビジュアル面でのインパクトが強烈。
そのあたりはちょっと『魔人探偵脳噛ネウロ』に通じる魅力だと思う。
日常に忍び込むファンタジー、みたいな話が好きな向きにはおすすめ。
2巻では悪魔サイドの世界にも触れられ、魅力的なライバルキャラも登場。今後が楽しみです。


・『MAMA』(売野機子

MAMA 1 (バンチコミックス)MAMA 1 (バンチコミックス)
(2013/03/09)
売野 機子

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3年ほど前に短編集「薔薇だって書けるよ」でマンガ好きたちの話題をさらった作者の、
初の長編作品はなんと半ズボン男子たちのギムナジウムもの。ハマりすぎ!
24年組作家(というか、大島弓子か)の作品との相似性、影響の大きさは最初から感じられていたけど
モチーフとしてそのものずばりを出してきたかー、と。
1巻はまだ大きな物語の序盤なので、なんとも評価はしづらいですが、この人の絵とか台詞回しの魅力は
存分に発揮されています。
これまで「少女性」みたいなものを強く出した短編作品が多かったので、
「少年」をどんなふうに描いていくのか…という興味が強い。


・『最後のレストラン』(藤栄道彦

最後のレストラン 1 (BUNCH COMICS)最後のレストラン 1 (BUNCH COMICS)
(2011/12/09)
藤栄 道彦

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主人公・園場が経営するフレンチレストラン「ヘブンズ・ドア」に、いまわの際の世界の偉人たちが来店。
彼らの抽象的で難解なオーダーを、園場とバイトのウエイトレスたちが知恵を振り絞って切り抜ける。
『MAMA』に入っていたチラシで気になって手にとってみたら面白かったという。
ちょっと地味ゆえにあまり話題になっていない気がしますが、
世界史とフランス(に限らず)料理のうんちくがなかなか興味深いし、
他作品のパロディをさりげなく混ぜ込んでくる感じも私は好きです。
主要キャラの名前がダジャレなのもいまどき珍しいかも。
ややご都合主義なところも含めてネタですよと開き直っている雰囲気もあって清々しいw
3巻まで発売中。


・『ホテルポパン』(有間しのぶ

ホテルポパン(1) (KCデラックス)ホテルポパン(1) (KCデラックス)
(2012/12/13)
有間 しのぶ

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ビッグコミックオリジナル増刊」で連載中の『その女、ジルバ』の1巻が先日発売になり、
おそらくそれとタイミングを合わせて同作者の作品が数タイトル刊行になっていたうちの1点。
『ジルバ』が好きなので、店頭で見て気になって購入。
どこかにある小さなホテルで働く人たちとお客様のドラマを1話完結で描く…みたいな作品かと思いきや、
物語は、やがて働いている人たち各々が背負った壮絶な背景を語る方向へ。
幸せを簡単に手にできなかった人間が幸せになるためにもがき、それぞれのやり方で幸せになる過程を、
嫌みなくあっけらかんと優しく描き出していて圧巻。
まんがくらぶ」連載だっただけあって1話1話は短くまとめられているのも不思議な感覚で面白い。
全2巻。