バンブツルテン

観たり読んだり聴いたり行ったり考えたり

職を転じる

久々に身辺に大きなできごとがあったのでこのカテゴリを更新。

来月いっぱいで現在勤めている会社を辞め、別業界に転職することになりました。
なりましたというか、しました。

決意したきっかけはまあ会社の人の一言だったりはしたのですが、
何よりも大きな理由は、口幅ったいようですが、夢ができたことです。
その夢に向かうためのスタートラインに立とうと思ったら、29歳はギリギリの年齢であると判断しました。
ネガティブな要素ももちろんゼロではないですが(大抵の転職者はそうだろう)、
そういう意味では、とても前向きな転職です。
今の会社、お世話になった先輩、慕ってくれた後輩にはとても感謝しているし、
何よりも自分の人格に大きな影響を与えてくれた上司のことは、一生尊敬し続けます。

誰にでもフラットな態度で接し、時には厳しいことも言うけれど決して見捨てはせず、
仕事とプライベートをどちらも等しく大切にしているバランス感覚も絶妙で、
とはいえ完璧ないわゆる「デキる」タイプではなく、失敗もするし、愚痴も言う。
けれど、そのしなやかな人間性に心から憧れたし、彼の下で働いてきた3年半、
「こういう人間になりたい」「この人のために頑張りたい」と強く思ってきました。

転職を決めた今も、この人と一緒に働けなくなることだけが涙が出るほどに未練ですが、
いつか笑顔で夢をかなえた(ないしは、夢に近づいた)報告ができたらいいなと思います。

湿っぽい内容だけでも何なので。
今回の私の転職に大きな影響を与えた本を3冊挙げておきます。

・『雨宮鬱子の証券会社で働いたらひどい目にあった』(雨宮鬱子/宙出版

雨宮鬱子の証券会社で働いたらひどい目にあった (Next comics)雨宮鬱子の証券会社で働いたらひどい目にあった (Next comics)
(2013/10/26)
雨宮鬱子

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この本が、「転職しようかな」を「転職しよう」に変えさせた1冊な気がする。
著者は表題の通り証券会社で働いて鬱を発症し、好きな絵を仕事にすることを志し、
地道にWebマンガを描き続け、実際に実録マンガ本の出版までこぎつけている。
もちろん深い理解のある旦那さんの存在は大きいでしょうが、その意志の強さは素直に称賛したいなと思います。
「自分に何も無いと思い込むことは怖い 心の病魔にのぞかれてしまう」というモノローグが一番響いた。
ぼろぼろ泣いてしまった。

・『はじめての転職100問100答』(梅田幸子/アスカビジネス)

はじめての転職100問100答 (アスカビジネス)はじめての転職100問100答 (アスカビジネス)
(2009/06/23)
梅田 幸子

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で、「転職しよう」と思って本屋でとりあえず手に取ってみた本がこれでした。
本当にわかりやすいというか、卑近なというか、ぼんやり転職しようかなーと思った人間が考える疑問に
丁寧に触れられていて、目を通してみてよかった。

・『あなたの天職がわかる最強の自己分析』(梅田幸子/中経出版

あなたの天職がわかる 最強の自己分析あなたの天職がわかる 最強の自己分析
(2009/01/21)
梅田 幸子

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で、前掲書の中で触れられていた同著者の自己分析本に手を伸ばしました。
(ちなみに私はKinoppyから出ている電子版を使いました。ビジネス書・実用書には特に電書は有用だなー)
自己分析って、新卒で就職活動をしていたときは全然ピンと来なかったし、何ならバカにしていたけど、
今回はとても意味があるように思えたし、実際丁寧にこの本のワークをこなした結果、
2社受けて1社通って1社は最終で辞退、というあっけにとられるほどスムーズな転職活動になりました。
でも、改めてちゃんとやってみたら尚更、自己分析って一度働いてみてからじゃないと
あまり意味がない気がしたなあ。私の想像力が貧困なのかもしれないけど、
自分の働く姿をイメージしながら自分を分析するのは学生には難しいと思う。

そんな最近でした。
この転職が成功かどうかは働き出してみないと何とも言えないとは思いますが、
自分の中に芯のようなものができた自覚はあるので、きっと、たぶん、頑張ります。

2014年1-3月映画感想まとめ

またずいぶん放置してしまった。PCが不調です。
思うところあってブログをちょっとちゃんとしたいので、買い替えてブログも引っ越そうかなあとぼんやり。

きっと、うまくいく」以降、すっかり映画にハマりまして、週1以上のペースで映画館に足を運んでいます。
この3ヶ月に観た作品の感想をざざっと。

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きっと、うまくいく 3 IDIOTS

こちらを参照。

鑑定士と顔のない依頼人 THE BEST OFFER (2014/1/14)

邦題に惹かれて行ってみました。
ぶっちゃけ、話が消化しきれずいろいろ解説を見てしまったのですが
すごく脳みそを使った映画だったなー。観た後の疲労感がすごかった。
不安を煽る映像は好きだなと思いました。

かぐや姫の物語 (2014/1/15)

観た劇場がいまいちな環境だったのですが、そんなの気にならないくらい良かった。
もはやどうやって作画したのか想像すらできない、筆のようなタッチとなめらかな動きに唖然。
予備知識ゼロで観たので、思いのほかストレートな竹取物語でちょっと驚いたけど、
捻りがないだけ安心して没頭できた感じ。迎えが来るシーンの演出で無性に涙が出て参った。

◆オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主 ODD THOMAS (2014/1/16)

新宿バルト9で1週間限定公開!
評判が良いのでふらりと観に行ってみました。
主人公ふたりの”超能力者の男と一般人の女が共闘”という関係性や、
笑えるグロテスクさにネウロに近いものを感じた。
ポンポンと軽快に進むストーリーと最後の最後での種明かし、魅力的なキャラクターたち。
娯楽性に溢れた楽しい映画でした。続編を期待!

キック・アス KICK ASS (2014/1/19)

続編公開が間近に迫り、評判は聞いていながら未鑑賞だったこちらも
レンタルで見ようかなーと思っていた矢先、
シネマイクスピアリで上映されるということで行ってきました。
感想としては、期待しすぎてしまったかな?という感じ。
クロエちゃんの可愛さが正義なのはよくわかった。

ヌイグルマーZ (2014/1/25)

オーケン原作!特撮が主題歌と挿入歌を担当!
舞台挨拶付きの初日に観てきました。
バカでゾンビでアクションでカワイイ映画として個人的には面白く観賞。
井口監督の作品好みかも?と思った。
オーケンが、「原作とは全然違う、けど面白い」と繰り返していたのがよくわかる。
まったく別種の魅力を持ったひとつの作品として完成していた。
小説「縫製人間ヌイグルマー」の映画化だと思って観に行ってしまった人は脱力したのでは。

◆愛しのフリーダ GOOD OL' FREDA (2014/1/29)

ビートルズの秘書をしていたフリーダさんのインタビューをメインにしたドキュメンタリー。
これは、リヴァプール行ってから観られて良かったな。
知らない、知る由もない、メンバーたちのエピソードを少しずつ語るフリーダさんは、
キュートで愛すべき頑固者な印象ですてきだ。
フリーダさんが今になって語ろうと思った理由がとっても個人的なもので、
でもジョンのエピソードと重なるものがあるなあと思って、
人の生き方や考えってそれがきっかけで変わるものなんだなー。

オンリー・ゴッド ONLY GOD FORGIVES (2014/1/29)

TL上の前評判で気になって鑑賞。
怖!痛!誰!? ??????という感じだったけど、映像のトランス感はすごかった。

◆ラッシュ/プライドと友情 RUSH (2014/2/2)

ニキ・ラウダって聞いたことあるな?と思って、
ジョージが「Faster」の題材にした人じゃなかったっけ?と思い当たったのが
観に行く気になった動機で、元々F1についての知識や興味は皆無でした。
それが観に行ってみたらとても良かった。
とても明快でわかりづらいところがひとつもない、男同士の熱い戦いの物語なんだけど、
シンプルな分登場人物一人一人や、衣装や、音楽や、一つ一つのエピソードが丁寧に作りこまれていて
偉そうな言い方をすると、すごく完成度の高い映画。
運動神経死んでてクルマに全く興味ない人間でも、
F1という競技に取り憑かれる人がいるわけがよくわかる作品だった。
あのモーター音の快感とレースの緊張感はハマるだろうなー。
今は人が死ぬようなことはない安全な競技だということを差し引いても。

Kinki Kids主演の吹き替え版も観ましたが、ラウダがちょっとかわいらしすぎるという感想でした。
こーいちさんはなかなか良かったと思う。ハントの方が役としてもやりやすそうだけどね。

アメリカン・ハッスル AMERICAN HUSTLE (2014/2/5)

あまり興味を持ってなかったんだけど、面白いという声が多かったのでなんとなく鑑賞。
最初はちょっと話についていくのが大変だったけど、最終的には「面白かったー!」という感想に。
「鑑定士と〜」と同じくらい観ながら頭を使ったような印象。
役者陣の演技と音楽の使い方がツボにハマったな。監督のほかの作品に興味がわいた。

ウルフ・オブ・ウォールストリート THE WOLF OF WALL STREET (2014/2/5)

これは完全に合わなかったなー。
億万長者がひたすらセックスとドラッグの日々に明け暮れやがて失墜する、でも…という映画であった。
乗れれば笑えたんだろうけど、途中で飽きがきてしまってつらくなってしまった。
描きたかったことはわかるし、こういうのが好きな人がいるのもわかるけどね。

◆神様がくれた娘 GOD'S OWN CHILD (2014/2/16)

インド映画が観たい!と思い渋谷まで出向きました。
あたたかいドラマなのに結末が辛くて号泣してしまった。
こんなのって…こんなのってないよー(レイアース

◆なんちゃって家族 WE'RE THE MILLERS (2014/2/19)

ノーマークだったんですが、楠野さんのオススメにつられて観てきた。
少々ご都合主義ながら(まあコメディだしね)、とにかく笑えて、イイ話になり過ぎない、
スパイスのきいている感じがとても好みでした。「きっと、うまくいく」の次に声出して笑ったなー。
パロディの元ネタが全部はわからなかったのが残念。

キック・アス ジャスティス・フォーエバー KICK-ASS 2 (2014/2/23)

キック・アスがイケメンすぎるのではあるまいか。
クロエちゃんはあいかわらずかわゆい。

アナと雪の女王 FROZEN (2014/3/14)

絶賛大ブレイク中ですね!映像、音楽、人間味あふれる登場人物たち。すべてが最高。
何だか別に泣くようなシーンでもないのに涙が出てくるのは、
あの夢の国のユートピア感と現実の乖離がせつないのかな…
最初に観たときの唯一の違和感だったハンスのキャラクター性については、
ここの解説でものすごく腑に落ちると同時に、これを確かめるべくもう一度観たくなってしまったという。
表面的にはよくできたエンタテインメント、でも実はよく練られているのだなあ。
2Dで1度、3Dで1度観ました。吹き替え版をまだ観てないので観たい。

◆LIFE! THE SECRET LIFE OF WALTER MITTY (2014/3/21)

ちょっと予告編詐欺に遭ったかな、という感じ。
いや、面白かったし、映像はやっぱり壮大ですごかったんだけど、
話のスケールに対して壮大すぎる気がしたりとか、ちょっとしたツッコミどころが気になったりとか。
それでも、あのラストには泣かされてしまった。良作ではあると思います。
どうでもいいけど、ヒゲの再編担当者がルックスと嫌な奴ぶりで
ゲット・バック・セッション期のポールに見えてしかたなかった。

◆ワン チャンス ONE CHANCE (2014/3/22)

こちらも予告から楽しみにしていた作品で、満足度はこっちの方が高かったかな。
美しい歌声とヨーロッパの風景に彩られた、派手じゃないけど残るもののある作品だった。
惜しみない愛でポールを支える彼女(嫁)の存在が、フィクションだったらファンタジーだと
言われてしまいそうなんだけど、事実なんだもんな。素晴らしいな。
失敗しても、挫折しても、本当に好きなものをあきらめないこと。最近そのテーマによく触れる気がする。
ラドンとハイドレンジャのカップルもチャーミングで良い。

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行きたいなーと思いつつ行けてない(行けなかった)のは、
ダラス・バイヤーズクラブ」「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」、
あとミニシアターもので「マンガで世界を変えようとした男 ラルフ・ステッドマン」、
「コーヒーをめぐる冒険」。
インド映画はしごしようとして力尽きてできなかった「デリーに行こう!」もあったな。
まだまだこれからも楽しみな映画がたくさん。
すきなものが増えると忙しくお金がかかるけど、楽しい。

「きっと、うまくいく」(3 Idiots)

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アーミル・カーンカリーナ・カプール

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この作品のことを語りたいがために映画・演劇カテゴリを作りました。
これからなるべく感想とか書いていけると良いな。

映画を観る習慣のない家庭で育ち、その環境にあってマンガや演劇に親しんだ結果なのか、
長らく映画という表現ジャンルにあまり興味を持てずにいました。
ただ、それがもったいないなあという気持ちも同時にずっとあり(手塚治虫オーケンも映画好きだしね)、
好きなマンガやミュージシャンに関連した作品などは社会人になってからは観るようにはしているのですが
それでも「映画」という媒体自体に興味がわく、というところまで行きませんでした。

昨年秋ごろから、いくつかものすごくおすすめされる作品があったことがきっかけで
映画館に頻繁に足を運ぶことをし始めました。
年末に立て続けに観た「風立ちぬ」「ゼロ・グラビティ」がどちらもわりと「映画って面白いなあ」と思えて、
勢いづいたところで、タイトルだけはよく聞いていたこの作品を柏の映画館でアンコール上映していると知り、
暇を持て余した正月休みに東武野田線に揺られて観にいってみました。
そうしたら、ハマりました。

とにかく評判が良いということと、上映時間170分という高めのハードルにやや覚悟を決めて観たのですが
そんなハードルは軽々と飛び越えました。もう、もう、すっごく面白かった…!
どのくらい気に入ったかというと、映画館で観たその日の夜にDVDとサントラを購入し、
それから1週間経つ今もサントラをヘビロテしてDVDを毎日のように繰り返し見ているくらいです。

爽やかな学園ものらしい雰囲気に清涼感をおぼえ、随所にちりばめられるギャグに大笑いし、
とても魅力的な登場人物たちの身に次々と起こる事件にハラハラし、号泣し、
ミュージカルシーンにはこちらも踊りだしたくなるくらいにウキウキし、雄大な自然風景に感動する。
そして、物語が進むにつれて丁寧に張り巡らされた伏線が見事に回収されていく、
絶妙な構成、脚本に唸らされる。
観終わった後には圧倒的に豊かな時間を過ごした満足感と、
それをもう一度味わいたいという気持ちが残る。

このたのしさをどう表現したらいいんだろうと考えていたら、
一番近いのはディズニーランドのスプラッシュ・マウンテンとかじゃないかなあと思いました。
個人的な感覚ですが、ミュージカルシーンやカリカチュアされたベタベタなキャラクターの存在にも
昔のディズニーアニメっぽい雰囲気を感じます。
(といって、ディズニーアニメだってほとんどまともに見たことないので完全にイメージですが)

あと、インド映画というのは「突然のミュージカルシーン」ってのがお約束のようで
なかば揶揄されているようなところもあるようですが
突然ダンス(や歌)が挿入されるっていうのは、いわゆるミュージカルではない演劇でもよくあることだし
個人的にはまったく違和感はないなー。
(もちろん、この作品にはうまくハマっているだけでほかのインド映画では違うのかもしれませんが)
メインテーマである「Aal Izz Well」もその後のシーンとの緩急まで含めてとても好きだけど、
「Zoobi Doobi」の方も、恋に落ちた瞬間の心理がすごく明確に楽しく表現されていて秀逸だと思う。

日本語字幕だけだと細かいところまで理解できていないんだろうなーと、
英語字幕版のDVDも買おうかなと思っています。

これから、もっといろいろな映画を観てみようと思っていますが、
なんとなくこの作品はベスト1の座に輝き続けるんじゃないかなー。
あまりそのジャンルに馴染みがないうちに触れた名作の存在感って大きくなるんだよね。

出会えて本当に良かった映画。
自分にとって大事で大好きな作品がひとつ増えました。

2013年を振り返る〜マンガ編

続いて、今年読んだマンガを振り返る。
Twitter企画「#俺マン2013」に選んだ作品、今回は外したけど印象深かった作品についてつらつらと。

吾妻ひでお失踪日記2 アル中病棟』(イースト・プレス 全1巻)

失踪日記2 アル中病棟失踪日記2 アル中病棟
(2013/10/06)
吾妻ひでお

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個人的に今年のベスト1はこれ。
凄絶な内容を淡々とユーモラスに描いているという点は『失踪日記』と同じ魅力なのだけど、
大ゴマで見せるシーンの抒情性とか、病棟の人々の群像劇でもあるところとか、
あと単純にボリューム的にも前作を凌ぐ読み応え。圧倒的な情報量なのに、ぐいぐい読めてしまう。
吾妻先生の描線と、作中に漂う浮遊感が好きで、いちファンではあるのですが、
それを差し引いても本当にすごい作品だと思う。

■梶本レイカ『高3限定』(ふゅーじょんぷろだくと 全3巻)

高3限定(POE BACKS Babyコミックスextra)高3限定(POE BACKS Babyコミックスextra)
(2012/05/24)
梶本レイカ

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Twitterで見たおすすめコメントが気になって購入したら凄かった。
BLのレーベルから出ていますが、これははっきりとサスペンス・ミステリー・ホラー・ファンタジーの系譜にある作品。
1巻の帯のコピーこそBLっぽさを若干漂わせているけれども、あれにつられて読むと後悔するでしょう。
流麗で個性(アクともいえる)の強い画風と難解なストーリーから、
読後感は『ウツボラ』(中村明日美子)に似ていると思ったなー。
自分の中の「?」を解消すべく、何度も何度も読み返してしまう感じ。
ラストでカタルシスはあるものの、読んだ者の頭と心に大きなしこりを残すマンガです。
あと、コマ運びや演出もかなり前衛的でいろんな挑戦がされていて(きっと無自覚にやっているんだろうけど)
マンガ表現としてもとてもスリリング。
全体的にダークでグロテスクでかなり酷い描写がありますが、大丈夫な方は是非挑戦してみてほしい。

小原愼司『地球戦争』(小学館 既刊2巻)

地球戦争 1 (ビッグ コミックス)地球戦争 1 (ビッグ コミックス)
(2013/03/29)
小原 愼司

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古き良き…と言ってしまうと語弊がありそうだけど、古典へのオマージュに溢れた伝統的な良質のSF作品という印象。
手塚藤子石ノ森にSFを教えられた者としてはたまらないものがあります。
先が読めない展開、作品全体を覆う緊迫した空気感、ぞっとするような「三本足」の造形がすばらしい。
1月末に3巻が発売予定ですね。

有間しのぶ『リバーサイド・ネイキッドブレッド』(祥伝社 全1巻)

リバーサイド・ネイキッドブレッド (Feelコミックス)リバーサイド・ネイキッドブレッド (Feelコミックス)
(2012/12/08)
有間 しのぶ

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これ出たの2012年だったのね。
有間しのぶさんは、現在「ビッグコミックオリジナル増刊」にて連載中の『その女、ジルバ』で知って
いいなと思った作家さんなのですが、ほかの作品も読んでみたらとても良くて、出会えてうれしいです。
4コマ形式で繊細な人間模様であったり思春期の心の機微だったりを細やかに描いていて、
読み進めやすいけど切なくてあたたかいものが残る作品です。
『その女、ジルバ』(小学館・既刊1巻)『ホテルポパン』(講談社・全2巻)もおすすめ!

その女、ジルバ 1 (ビッグコミックス)その女、ジルバ 1 (ビッグコミックス)
(2013/02/28)
有間 しのぶ

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ホテルポパン(1) (KCデラックス)ホテルポパン(1) (KCデラックス)
(2012/12/13)
有間 しのぶ

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■奥田亜紀子『ぷらせぼくらぶ』(小学館 全1巻)

ぷらせぼくらぶ (IKKI COMIX)ぷらせぼくらぶ (IKKI COMIX)
(2013/11/29)
奥田 亜紀子

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普通の中学生と、ちょっと普通じゃない(容姿とか身体的なことが理由で浮いてしまっている)中学生たちの
ヒリヒリ痛い現実を、抉るようなリアルなストーリーと抑制の効いた画風で表現していて、
これはかなり読んでいてつらくなったけど、とても優しくあたたかく切ない結末に安堵しました。
結構尖った描写が見られるけど、感性に寄りすぎずしっかりお話を読ませる作風は好みです。
学生時代にクラスで浮いていた自覚のある人は感じるものがあると思う。

大今良時『聲の形』(講談社 既刊1巻)

聲の形(1) (少年マガジンコミックス)聲の形(1) (少年マガジンコミックス)
(2013/11/15)
大今 良時

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読み切りが雑誌掲載された時点ですごく話題になっていました。
私は1巻が出てようやく読んだのですが、なるほどこれは騒がれるわ…と納得。
万人に受け入れられやすそうな読みやすく整ったかわいらしい画風で、
しかも少年誌というフィールドで、普通なら敬遠してしまいそうな社会性のあるテーマに挑んだ意欲作…
とか言うとベタ過ぎるけど、でもこの作品は本当に、そういう意欲がまず賞賛されるべきじゃないかなー。
社会的なテーマを個人と個人の、少年と少女のお話として成り立たせるのがとても上手いなと思う。

コージィ城倉『チェイサー』(小学館 既刊1巻)

チェイサー 1 (ビッグコミックス)チェイサー 1 (ビッグコミックス)
(2013/09/30)
コージィ 城倉

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手塚治虫のようになりたくてなりたくてたまらないけどそれを素直に言えない」という、
めんどくさい性格の同時代のマンガ家の話。
トリッキーな作品ですが、手塚ヲタとしてこれは悔しいけど面白いと言わざるを得ない!

■四宮しの『魔女と猫の話』(少年画報社 全1巻)

魔女と猫の話 (ねこぱんちコミックス)魔女と猫の話 (ねこぱんちコミックス)
(2013/03/11)
四宮 しの

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ねこぱんちコミックス!
おすすめの声を聞かなければノーチェックのままだったであろう、今年の収穫でした。
とても上質な、「猫」というモチーフが最適な活かされ方をしているファンタジーです。
優しく柔らかく暖かいメルヘンの世界で共生する猫と少女たちの物語はとても心地良い。

森泉岳土『祈りと署名』(エンターブレイン 全1巻)

祈りと署名 (ビームコミックス)祈りと署名 (ビームコミックス)
(2013/11/25)
森泉岳土

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ほとんど読んだことはないんですがイメージ的にB・Dのような、むしろ絵本のような雰囲気の作風。
「水で描いている」という画風は個性の塊です。
コマが割られていて、フキダシがあるから、ギリギリ「マンガ」の体裁になっている…というような。
大人の寓話を、その空気も含めて描くにはこのやり方が合っているのでしょう。
物語の中に連れて行かれる感は凄いです。

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上に挙げたのは「出会い」という意味で今年読めてよかった作品たち。
ほかにもたくさんいいマンガありました。タイトルだけ挙げると、

・池辺葵『どぶがわ』(秋田書店
・宮崎夏次系『僕は問題ありません』(講談社
小原愼司トニーたけざき『星のポン子と豆腐屋れい子』(講談社
武富健治『惨殺半島赤目村』(泰文堂・既刊1巻)

あと、今後の動向を見てから評価したいなと思っているのが
・野田彩子『わたしの宇宙』(小学館・既刊1巻)
売野機子『MAMA』(新潮社・既刊2巻)
・真造圭伍『みどりの星』(小学館・既刊3巻)

といったところでしょうか。

それから、今年は白泉社の40周年記念愛蔵版シリーズだったり、『極東学園天国』新装版であったり、
魔人探偵脳噛ネウロ』文庫版であったり…という新装版ラッシュに踊らされた年でもありました。
あと、ネウロ文庫化もその一端ですが、『暗殺教室』の大ブレイクは本当に嬉しく思います。
作家・松井優征も一度じっくり考えてみたい。彼は藤子・F・不二雄の遺伝子を持っていると思うんだよなー。

そんな2013年でした。来年もたくさん良いマンガと出会えますように!

2013年を振り返る〜ライブ編

あっという間に2013年も終わりだー。まずはライブ参戦記録。

1/4(金)ベラポンプアワーオールスター戦@吉祥寺STAR PINE'S CAFE
1/12(土)特撮「『パナギアの恩恵』発売記念ツアー013」@渋谷duo MUSIC EXCHANGE
1/14(月)和嶋慎治「BEEAST presents 39LIVEアンコール公演」@吉祥寺ROCK JOINT GB
1/26(土)特撮「『パナギアの恩恵』発売記念ツアー013」@恵比寿LIQUID ROOM
1/27(日)すかんちすかんち結成30周年記念!オジタスの、謎のロックショウ。大作戦のさなかの大爆撃。薔薇を持ってオペラに行くと、甘い金のチョコレート。スケッキヨ!2012-2013」@大阪umeda AKASO

2/6(水)大槻ケンヂ「お誕生日だよ!のほほん学校」@新宿LOFT PLUS ONE
2/9(土)すかんちすかんち結成30周年TOUR Final!アメイジングすかんち2013」@渋谷公会堂
2/16(土)水戸華之介「20×5=100 with 澄田健」@渋谷七面鳥
2/22(金)女王蜂「女王蜂単独公演 白兵戦」@SHIBUYA-AX
2/23(土)白髪鬼「白髪鬼ライブ」@池袋Black Hole
2/26(火)RINGO STARR & HIS ALL STARR BAND@Zepp Tokyo

3/2(土)水戸華之介「20×5=100 with 和嶋慎治」@渋谷七面鳥
3/9(土)NESS「Live NESS」@高円寺HIGH
3/10(日)「オーケンナッキー・竜ちゃん」@渋谷7th Floor
3/16(土)岡村靖幸「むこうみずでいじらしくて」@SHIBUYA-AX
3/17(日)筋肉少女帯「日本印度化計画2013」@所沢市民文化センターミューズ
3/20(水)「ROLLY×谷山浩子のからくり人形楽団」@横浜BLITZ
3/30(土)筋肉少女帯「4半世紀記念への何か予言はあるのか? 新曲A『妖精対弓道部(仮題)』」
3/31(日)筋肉少女帯「4半世紀記念への何か予言はあるのか? 新曲B『中2病の神アリス(仮題)』」
     @恵比寿LIQUID ROOM

4/13(土)水戸華之介「20×5=100 with 澄田健」@渋谷七面鳥
4/27(土)ARABAKI ROCK FEST.@エコキャンプみちのく
5/12(日)OzzFest JAPAN@幕張メッセ
5/22(水)特撮「再び、パナギアの恩恵」@渋谷CLUB QUATTRO
5/25(土)水戸華之介「不死鳥〜十全」@渋谷O-WEST
5/29(水)筋肉少女帯「4半世紀」発売記念インストアイベント@TOWER RECORD新宿店

6/2(日)すかんちすかんち30th TOUR Final DVD発売記念!ファンタスティックすかんち2013サバイバル」@赤坂BLITZ
6/22(土)筋肉少女帯「4半世紀」@中野サンプラザ

7/6(土)大槻ケンヂオーケンのミニミニのほほん学校」ゲスト:本城聡章@阿佐ヶ谷ロフトA
7/19(金)水戸華之介&3-10chain/扇愛奈とFoo-Shah-Zoo「CLUB Que 夏の陣」@下北沢CLUB Que
7/23(火)大槻ケンヂ/ROLLY/和嶋慎治「東京うたの日コンサート番外編」@Shibuya Mt.Ranier Hall
7/28(日)人間椅子/犬神サアカス團@千葉Look

8/3(土)ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013@国営ひたち海浜公園
8/7(水)華吹雪@渋谷CLUB CRAWL
8/21(水)特撮@池袋Black Hole

9/6(金)橘高文彦「Club DREAM CASTLE」ゲスト:本城聡章@八王子Live bar X.Y.Z.→A
9/8(日)大槻ケンヂオーケンのミニミニのほほん学校」@阿佐ヶ谷ロフトA
9/13(金)扇愛奈とFoo-Shah-Zoo/ウッチーズ/NESS「ウッチー祭り」@高円寺HIGH
9/14(土)AOMORI ROCK FESTIVAL 夏の魔物'13@夜越山スキー
9/15(日)人間椅子人間椅子レコ発ツアー〜萬燈籠」@青森Quater
9/16(月)人間椅子人間椅子レコ発ツアー〜萬燈籠」@仙台LIVE HOUSE enn 2nd
9/19(木)谷山浩子「猫森集会2013」ゲスト:大槻ケンヂ全労済ホール スペース・ゼロ
9/22(日)筋肉少女帯「4半世紀」@横浜BLITZ
9/28(土)中二病の神ドロシー@渋谷CLUB QUATTRO
9/29(日)人間椅子人間椅子レコ発ツアー〜萬燈籠 おどろの日」@渋谷O-West

10/4(金)獄門島一家獄門島一家 第一回会合」@恵比寿LIQUID ROOM
10/9(水)ハゲザイル/華吹雪@下北沢CLUB Que
10/19(土)筋肉少女帯/アーバンギャルド「4半世紀中」@赤坂BLITZ
10/23(水)KISS「MONSTER JAPAN TOUR」@日本武道館
10/25(金)水戸華之介&3-10chain「CLUB251 20th &SMILEY’S 15th ANNIVERSARY〜WARATTER LIVE IN TOKYO」@下北沢CLUB251
10/26(土)大槻ケンヂ「スーパーのほほん学校」@座・高円寺
10/31(木)筋肉少女帯/すかんち「4半世紀中」@名古屋BOTTOM LINE

11/2(土)筋肉少女帯「4半世紀中」@心斎橋BIG CAT
11/3(日)筋肉少女帯/人間椅子「4半世紀中」@心斎橋BIG CAT
11/9(土)川本真琴「風流銀河girl」@渋谷CLUB QUATTRO
11/10(日)人間椅子人間椅子倶楽部の集い」@高円寺Show Boat
11/21(木)Paul McCartney「OUT THERE JAPAN TOUR」@東京ドーム
11/24(日)筋肉少女帯「4半世紀中」@名古屋BOTTOM LINE

12/7(土)水戸華之介&3-10chain/MAGUMI & THE BRETHLESS「P-ROCK STARの祭典」@下北沢CLUB Que
12/8(日)扇愛奈とFoo-Shah-Zoo/コロボックルズ「師走だよ!フーシャーショー」@三軒茶屋HEAVEN'S DOOR
12/14(土)「ケラリーノ・サンドロヴィッチ・ミューヂック・アワー」@新宿LOFT
12/15(日)「ケラリーノ・サンドロヴィッチ・ミューヂック・アワー」@新宿LOFT
12/23(月)筋肉少女帯@恵比寿LIQUID ROOM
12/29(日)KOGA COVER NIGHT@下北沢CLUB Que

合計参戦本数は63。軽く記録更新ですハハハ!
以下、特に印象深かったもの。

■1/27(日)すかんちすかんち結成30周年記念!オジタスの、謎のロックショウ。大作戦のさなかの大爆撃。薔薇を持ってオペラに行くと、甘い金のチョコレート。スケッキヨ!2012-2013」@大阪umeda AKASO
■2/9(土)すかんちすかんち結成30周年TOUR Final!アメイジングすかんち2013」@渋谷公会堂
■6/2(日)すかんちすかんち30th TOUR Final DVD発売記念!ファンタスティックすかんち2013サバイバル」@赤坂BLITZ

もう、すかんちは、コンサートが決まること自体がうれしくて。
次回ライブも決まりましたね!3月10日AX!ツアーもまたやってほしいなー。

■2/26(火)RINGO STARR & HIS ALL STARR BAND@Zepp Tokyo
■10/23(水)KISS「MONSTER JAPAN TOUR」@日本武道館
■11/21(木)Paul McCartney「OUT THERE JAPAN TOUR」@東京ドーム

リンゴのライブは初めての外タレさん体験でした。
迷っててギリギリまでチケット取ってなかったんですが本当に行けて、あの場を共有できて感激でした。
これで弾みがついて、KISS来日公演、そしてポールへと。
KISSには自分が今好きな日本のバンドたちのルーツたるところを、
ポールには自分自身の原体験を再認識させてもらった気がしました。

"■5/12(日)OzzFest JAPAN@幕張メッセ
椅子の歴史が大きく動いた現場に立ち会えた喜び!
まんどろツアーで青森行けたのも良かったー。来年も行きたい!

そして。何よりも、今年は、筋肉少女帯の年でした。

■3/31(日)筋肉少女帯「4半世紀記念への何か予言はあるのか? 新曲B『中2病の神アリス(仮題)』@恵比寿LIQUID ROOM
デビュー25周年記念楽曲「中2病の神ドロシー」初披露。

なんてひどい歌詞なんだろう、なんてことを歌ってくれやがるんだろうこの人らは!と思いながら涙が止まらなかった。
とてつもない1年になることを、この日予言された。

■6/22(土)筋肉少女帯「4半世紀」@中野サンプラザ
そして迎えた復活の聖地・中野サンプラザでは、告知!告知!告知!の嵐にうれしい悲鳴!!

筋少拡散波動砲2013】なる企画では各メンバーの個人活動にほかのメンバーが遊びに行くよという趣旨で、
われらが下手の太陽・おいちゃんにもスポットが当たる当たる!

■7/6(土)大槻ケンヂオーケンのミニミニのほほん学校」ゲスト:本城聡章@阿佐ヶ谷ロフトA
■7/19(金)水戸華之介&3-10chain/扇愛奈とFoo-Shah-Zoo「CLUB Que 夏の陣」@下北沢CLUB Que
■9/6(金)橘高文彦「Club DREAM CASTLE」ゲスト:本城聡章@八王子Live bar X.Y.Z.→A

FSZのライブは現在までに3回。年明けにもすでに2本決まっています。
私は今のところ皆勤ですが、最初に比べてかなりバンドらしくなってきたなあと思います。
1月は椅子のO-EASTワンマンとかぶったので泣く泣くそちらに行きますが、今後が楽しみ!
ドリキャスもまたやってほしいなあ。おいちゃんとカンパイできたのは本当に大事な思い出になりました。
八王子のお城には今回初めて伺ったのですが、お酒も食べ物もおいしくて雰囲気もとっても良かった。
また行きたい!

■8/21(水)特撮@池袋Black Hall

筋少が忙しい最中にポコンと行われたブラックホールでの特撮ライブ。
ゲリラ豪雨と汗と涙でびっしゃびしゃになった。特撮もやっぱり大事なバンドだなと実感。

■9/19(木)谷山浩子「猫森集会2013」ゲスト:大槻ケンヂ全労済ホール スペース・ゼロ

これはもう何しろ、谷山さんの歌う「機械」が凄すぎた!という感想に尽きました。
筋少の、オーケンの歌をトリビュートするには、ここまでのオリジナリティが必要なんだなあと思った。

■11/24(日)筋肉少女帯「4半世紀中」@名古屋BOTTOM LINE

筋少秋ツアーは渋谷1会場のみ直前に出張が決まり行けず、
そこでおいちゃんが「未使用引換券」を歌われたと聞いてそれはそれはへこんでいたのですが、
神番をいただいたこの名古屋で聴くことができて、感無量でした…
すっごくかっこよかったーーーーー!!
個人的には、楽器隊の各メンバーがメインボーカルを取るスタイルはあって良いと思っています。
メンバー全員で筋少であるという、このバンドのすばらしさをかみしめることができるし、
どうしてもオーケンに集中する体力的負担を分散させることができるのであろうから。
少しでも長く筋少を観ていたいし、少しでも長くやっていきたいとバンドが思ってくれているのならなおさら。

この名古屋遠征は往復夜バス移動のため早朝到着して暇だったので、唐突にお伊勢参りに行きました。
おはらい町にはおいしいものもいっぱいで、行って良かったな。

■12/14(土)「ケラリーノ・サンドロヴィッチ・ミューヂック・アワー」@新宿LOFT
■12/15(日)「ケラリーノ・サンドロヴィッチ・ミューヂック・アワー」@新宿LOFT

そして、そんな筋少を生んだナゴムレコードとケラさんのイベントライブ。
例年、繁忙期の12月はライブ行くのやめてたんですが、今年は仕事の後遅刻ながら駆けつけてみました。
この公演は中でも本当に行けてよかったなと思った。
初めて見た空手バカボンでは、3人の関係性にあたたかい気持ちに。
初期有頂天セッションでは、まさかまさかの「ライブハウス」フル演奏にびっくり。
そして中後期有頂天セッションでは、大事件を目撃したという実感がすごく残りました。
有頂天というバンドがいかに重要だったのか、そしてケラさんという人の大きさを思い知った。

そんな1年でした!
筋少ちゃんの4半世紀イヤーの残り半分、そして今度は椅子の4半世紀イヤー。
2014年もいっぱい大好きなバンドのライブを楽しみまくりたい所存です。

2013/11/21(木)Paul McCartney 「OUT THERE JAPAN TOUR」@東京ドーム

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東京ドームで伝説を拝んできました。
終始興奮と感激の渦の中でぐるんぐるんしていた。
感情に押し流され続けた3時間でした。
以下、とにかくあの会場で見たもの、考えたことを、思い出すままに。

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・生まれて初めての東京ドームでした。
17時開場・19時開演というスケジュール、2時間も何すんだろ…ぐらいに思ってたけど、
18時ちょっと前に開場に到着した私が場内に入って物販列に並びギリギリ残っていたツアーTを買い
アリーナの席に着けたのは18:50頃でした。そりゃ入場に2時間要るわ…
本当はTug Of WarのTシャツが欲しかったなー。パンフレットは通販があるみたいですね。どうしよう。

・入場時に、チラシと一緒に赤のサイリウムを手渡される。
キョードー主催の企画だったのかな?ポールに対するサプライズということで、
「Yesterday」のときに会場をOUT THEREのテーマカラーである赤に染めましょう!というもの。
お祭りだものな!とわくわくしました。実際にダブルアンコールで見事に赤で埋め尽くされた
東京ドームは圧巻でした。あんな大会場であんな一体感を味わえるとは!

・席はアリーナEブロックの後ろの方で、生身のポールは肉眼では米粒程度にしか確認できなかったけど、
ステージ両サイドのスクリーンはよく見えました。
19時になると同時に、このスクリーンで幼少期〜青年期〜ビートルズ時代〜ソロ時代〜現在の
時系列に沿ったポールやバンドメンバーたちの写真、動画をコラージュした映像がスクロール状に流れ出す。
最後の方に、リンゴとふたりでマイクシェアしてる最近の写真がありました。

・ポールがステージに現れたのは19時20分〜30分頃かな?
1曲目は「Eight Days A Week」、そして最初のMC!
「コンバンハー!トーキョー、タダイマー!
 ニホンゴ、ガンバリマス!…デモ、エイゴノホウガトクイデス!」と日本語で言ったあと、
英語で「僕の英語が聞き取れないときは、両側のスクリーンに日本語が出るからそれを見てね」と。
そして以降、本当にポールが2センテンス以上の英語をしゃべると、スクリーン上に同時通訳が!
すっごい!コミュニケーション取ろうとしてくれてるんだなーと感激してしまった。

・「All My Loving」ド頭の「Close your eyes〜」のフレーズを聴いて、
なぜか反射的に涙が出て自分でびっくりした。ご存じのとおり感動して泣くような曲では全くない。
だけど私にとっては何か特別だったんだっけ…?と考えて、
そうだ最初に歌詞を覚えてそらで歌えるようになったビートルズの曲だったんだ、と気づいた。
おそらく中学2年くらいの頃。物心つく前から親しんできたビートルズを初めて意識的に、能動的に
「好きな音楽」として聴き始めた頃。
理屈じゃなく、記憶の奥底を揺さぶられた感じだった。

・「The Long And Winding Road」は、高校時代に部活で後輩との関係がうまくいかずもめにもめて
辛かったときに聴いて、「Anyway you'll never know, the many ways I've tried」という歌詞に
とても共感したなあというのを、今も聴くたびにいつも思い出す曲。
だけどこの曲をポールがピアノを弾きながら歌うのを聴いて覚えたのは、ただただ純粋に、
なんて美しいメロディなんだろう…という感動だけだった。曲に寄り添う記憶にライブが勝った。

・そして続けざまに「ツギノウタハ、リンダノタメデス」という一言を挟んでの「Maybe I'm Amazed」。
ぶっちゃけ私はポールソロやウィングスの真面目なリスナーではなくて、
一応「McCartney」「Ram」「Venus and Mars」「Band On The Run」あたりは一通りは聴いたけど…程度。
でもその中で、この曲の持つ、聴いてて苦しくなるような熱量はすごく好きだった。
静かな曲のようで、ほんとに熱い熱い演奏だった。また涙がとまらなくなった。

・「夢の人」、「恋を抱きしめよう」。「恋を抱きしめよう」は英語の授業で習ったっけなあ。
ジョンとの共作曲が披露されるとひときわうれしい。
「And I Love Her」は映画ハード・デイズ・ナイトのシーンを思い出す。
50年前なのか…あの映画の中のかわいいポールが50年後に日本に来て歌っているのか…と茫然。
しんとした空気の中の「Blackbird」も素晴らしかった。

・「ツギノウタハ、ジョンノタメデス。ジョンニ、ハクシュヲ!」のMCからの「Here Today」。
同様に「ジョージニ、ハクシュヲ!」からの「Something」。
サムシングは、ポール一人ウクレレ弾き語りからバンド演奏に流れ込むアレンジ。
曲の後でポールが英語で「ジョージ、美しい曲をありがとう」と言っていた。
ポールが本当にこの曲を美しいと思って、愛していることを感じるアクトだった。
とても嬉しかったのと同時に、ジョージの歌を生で聴くことができなかったのがとても残念で
切なくなった。でも、ジョージの魂はいまここに来てくれているかな?などとふと考えてしまった。

・「Being For The Benefit Of Mr.Kite!」最近ポールがやっているとは聴いていたけど、
この日も聴けた。不思議なチョイスのジョン曲。
ジョンのジョンらしさが詰まった曲だと思う。だからなのかな?
「Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Bandの曲から…」と言ってやったのはこれと
「Lovely Rita」。とってもかわいい、大好きな曲で歓喜!
リボルバー〜サージェント・ペパー期のポール曲は特に好きな曲が多いんだよな〜。

・「新しいアルバムから…みんな、このアルバムを日本でNo.1にしてくれてありがとう」と言って
「NEW」から披露されたのは「Save Us」「NEW」「Everybody Out There」「Quinee Eye」の4曲。
「NEW」は私もせっかくだしとお布施気分で買ったけど、思いのほか…というと失礼ながら
すごく良くて、気に入って、何度も聴いています。ポップだけど随所でひねくれてて好きな感じ。
ポールの、とか、元ビートルの、というのを抜きにして、現役1ミュージシャンの作品として
とても好きだなあと思う。素晴らしいことだよね。

・本編ラストは「Hey Jude」、後半のコーラスはやっぱりオーディエンスが歌うんだね!
ポールが「ダンセイダケ!」「ジョセイダケ!」と分けて歌わせていて、
わーこんな普通の歌手みたいなことポールもするんだー!wとなんだかニヤニヤしてしまった。
女性代表としてめいっぱい声を張り上げましたが、女性陣弱かったね!
団塊マダムたちが照れてしまったのかなーと思った。会場ではそんなに男女比偏ってる印象なかったよー。
フェイクばりばりのポールの歌い方も熱がこもっていてとってもかっこよかった。

・アンコールは太いギターリフがかっこいい「Day Tripper」から。
「Get Back」もタイトでかっこよかった。けどこの曲はどうしてもルーフトップ・コンサートの映像が
頭をよぎるなあ。あのテイクのリンゴのドラミングがとても好き。

・ダブルアンコール、赤のサイリウムに包まれて聴いた「Yesterday」、そして
「モットキキタイ!?」の煽りから、なんということでしょう、「Helter Skelter」!!
HR/HMの源流の一つといわれるこの曲を71歳のポールが演奏するなんて…!

・「ソロソロ、カエルジカンデス」。クルー、スタッフ、バンドメンバー、そしてオーディエンスへの
謝辞を述べて、ポールがピアノで弾きだしたのは「Golden Slumbers」!!
これは、これは、あの、アビー・ロードB面後半メドレーではないですか…!
どこだかのライブ映像で見て、これ生で聴けたらたまんないだろうなあと思っていたそれを、聴けた…!
楽しいライブが終わっても、その記憶を糧に毎日を一生懸命生きるんだよと言われているような
「Carry That Weight」、そして、「The End」!
この一連の流れは、私のいくつもある一番好きなビートルズ曲の中のひとつであり、
もしかしたらビートルズのナンバーの中で一番美しい流れではないかな、と思っている。
楽しさが弾けるようなギターバトルから、「そして結局、あなたが受ける愛は、あなたが与える愛に等しい」と
ささやくように歌われるエンディング。完璧。これ以上はない。

・「ドウモアリガト、トーキョー!サイコー!チョーサイコー!」
「マタ、アイマショウ!マタネ!ゲンキデネ! See you next time!!」と言っていたポール。
年齢的なことで、最後の来日公演だろう…と誰もが思って、だからこそみんな駆けつけたんだろうけど、
そのステージで間違いなくポールは現役だと、「Paul is Live」であると、少なくとも私は実感した。
また会える日がきっと来る気がする。
日本に来てくれて、そう思わせてくれてありがとう!Thank you Paul!

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ブログ放置してる間に夏の魔物とか椅子ツアーとか筋少ツアーとか筋肉椅子とかいろんなことがあったのだけど
とりあえず昨日の想いは吐き出さないと死ぬ…!と思ったので。
ざかざかと書き殴ってみて、改めて、ビートルズの音楽は私の30年弱の人生に寄り添っていたのだと実感。
幼少期から家族の影響で聴きながら育ち、中学生の頃に初めて音楽としての魅力にとりつかれ、
以来、いつでも一番身近に常に置いていた。もはや、自分の体の一部と同じなのだな。

大学生のときに筋少に出会って、もっといろんな音楽を改めて聴くようになって、
自分にとって別格に好きな存在になるミュージシャンの共通点は「曲がバラエティに富んでいること」
であることに気付いたのだけど、それを世界で最初にやったバンドはおそらくビートルズだったし、
私が人生で初めて触れたそういうミュージシャンもビートルズなんだよね。
筋少ファンとビートルズファンはあまり重ならないけど、私の中ではこの2バンドはそこでつながっている。
メンバー4人のキャラの濃さとか、バランス感も似たものがあると思う。
そういうことを改めて考えさせられるきっかけになるライブだった。

そして、この世に遺された側のビートルとして、"Lennon=McCartney"の片割れとして、
ジョンとジョージの書いた曲を愛情をこめて、楽しんで演奏するポールの姿は眩しかった。
世界が誇る一流のスターの振る舞いというものを見せつけられた思いだった。
ポールはとてもとてもカッコよくて、素晴らしいパフォーマーだった。

もう一度言う!
ありがとう!Thank you Paul!
マタアイマショウ!

ありがとう!小学館ビル ラクガキ大会

経緯はこういうことだったらしい。
スピリッツ編集部山内さんによる小学館ビル落書き大会の経緯まとめ

話題になり始めた時点で見に行きたいなーと思っていたのですが
内部を一般公開してくれるということで、この機を逃すまいと、本日行ってまいりました。
9月に小学館のサイトで写真を公開予定らしいので、ちゃんとしたのはそこで見るとして、
とりあえず個人的にテンション上がったラクガキたちを。

10時半ごろに小学館本社ビルに到着し、整理券配布会場となっている6Fまで階段で移動。
ここですでに、いろんなラクガキに励まされながら向かう。

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整理券配布会場は、コロコロやスピリッツの編集部があったフロア。
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真造圭伍さんっぽい。なんとなく。

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無事14:15集合の整理券を受け取り、一旦外に出るため階段を下りる。
ここの壁にもきっちり描かれてます。
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教育的配慮を欠かさない感じが児童マンガらしい。イイネ!

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そうだったのか。

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で、しばし神保町をぶらぶらして時間をつぶし、改めて会場へ。
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1Fのロビーと地下の通路を各10分ずつ観賞。写真撮影はOKだけど動画は禁止。
というわけで、限られた時間内でみんな一心不乱に写真を撮りまくる。

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あさりちゃんの下の長文は藤田和日郎氏。

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島本和彦さんによる00ナンバーズ!

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夜回り先生、誰が描いたんだろう?タッチからすると芳崎さんかな?

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菜月ちゃんがかいがいしく働いていた。

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浦沢さんの線、迷いがなさすぎる…すげえ

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ドアにDr.テンマが!

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チャクラ懐かしすぎて涙が…ナナちゃんかわいい。

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BASARA!

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テラさんまでいらっしゃった。ラムちゃんはいろんな人に描かれていたなー

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激ヤバ!!と指さされている先の壁は…

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あ〜る君だあああ!!!!そしてともだち!!

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右側のほう。A先生の手になるQちゃんに魂抜けてる炎尾くん。

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もう一方の壁に鳥坂センパイ

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…を背に振り向くと、柱に成原博士が!

10分の時間が経過し、地下へ案内される。
その途中の壁にももちろんラクガキいっぱい。

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児童マンガファミリー勢ぞろい感。

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すみれちゃん。

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今度は原秀則さんの。石ノ森チルドレンだったんですねえ

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武富さんもいた。またチョイスが渋い。

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失恋ショコラティエ』も!このソータにはときめいちゃったよね…

B1通路はこんな感じ。

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すみれちゃんは結構いろんなところにちょこちょこあらわれていた。

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斯波さんもかいがいしく働いて(?)いた!いい場所取りましたね〜。

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芸が細かいというかなんというか

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鬼太郎も人気でした

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ラクガキといえば相合傘だよねーしかし誰が書いたんだwww

ここでも10分はあっという間に経過。
一通り堪能し、外から改めて。
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エドガーは松田奈緒子さんだそうです。

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まだまだいっぱい写真は撮ったのですが、個人的に思い入れのあるあたりを上げてみました。
軽いノリで始めた企画があれよあれよという間に規模が大きくなって、
あんまり準備期間もない中でのイベントとなったのだと思いますが、
人の配置とか動線とかよく配慮されていて、とてもスムーズでした。大手出版社、さすがだな!

小学館への作家さんたちの想い、現役の若手〜中堅作家さんからベテラン作家さんたちへの想い、
「マンガ」というものに対する熱量でむせ返りそうな、幸せな空間でした。

見に行けてよかった!マンガが好きでよかった!